今月の英国の医学ジャーナルに、エキナセアの有効性を示した論文が報告されています。
(Lancet Infect Dis. 2007;7:473-80)
エキナセアは、風邪の予防あるいは罹病期間の短縮効果があるハーブとして、広く利用されています。
ただし、明確な効果を認めなかったとする臨床研究も報告されており、予防効果および改善効果について議論が続いています。
さて、今回の研究は、風邪に対するエキナセアの予防および症状軽減効果について、メタ分析を行ったデータです。
臨床研究14個を対象に、罹患率や罹病期間などが解析され、研究の異質性を考慮した加重平均が求められました。
その結果、エキナセアによって、風邪の発症が58%低下し、罹病期間が1.4日短縮されるというデータが示されています(いずれも有意差あり)。
エキナセアとビタミンCを併用した研究では、さらに大きな発症抑制効果が示されました。
つまり、エキナセアが、風邪を予防する作用があり、かつ、風邪を引いた場合でも早く直る働きがあるという結論です。
ところで、エキナセアについては、2005年にNEJMに発表されたネガティブな研究データが知られています。
NEJMのデータは健常者にライノウイルスを播種するという実験でした。
今回の論文著者らは、「(NEJMの論文で使われた調整法による)エキナセアは、(200種類以上存在する、風邪症候群を生じる)ウイルスのうち、そのタイプには効果がないのかもしれないが、今回の結果からすると、他の199種類以上には効くということになるのではないか」と述べています。
|