今月の栄養学の専門ジャーナルに、フルクトース(果糖)の多い食事による脂質代謝への影響を検討した臨床研究が、スイスのグループから報告されていました。
(BJN 100;393-399:2008)
研究では、健康な男性被験者6名を対象に、高フルクトース含有食あるいは対照食を7日間摂取させ、血中の脂肪酸などを測定し、脂質酸化に対する影響が検討されています。
投与前値、脂質負荷時、メンタルストレス負荷時といった条件下での比較が行われた結果、高フルクトース食によって、脂質酸化の低下が認められたということです。
また、高フルクトース食による乳酸値の上昇や乳酸産生の増加が示されています。
今回の研究データから、高フルクトース食による脂質酸化および脂肪分解の抑制作用が示され、機序として、乳酸産生増加による乳酸利用の促進の関与が示唆されます。
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