男性機能研究の専門ジャーナルに、男性ホルモン・テストステロン、ビタミンD値、精子機能との関連を調べた調査研究が、中国のグループから報告されていました。
(
Int J Androl. 2012 Jun 19. doi: 10.1111/j.)
アンドロゲン欠乏の男性では、テストステロンとビタミンDの相互作用が示唆されています。
しかし、男性不妊症において、この相互作用による精子機能や骨密度への影響は十分に知られていません。
そこで、今回の研究では、
男性不妊症と、
テストステロン、血中ビタミンD値、精子機能(精子の質)、骨密度の相関が検証されました。
具体的には、20〜40歳の男性559名を対象に、
横断研究として関連指標が調べられました。
なお、被験者は、
・骨粗鬆症のリスクを有する被験者(正常(不妊症ではない)男性195名、不妊症男性9名
・骨粗鬆症リスクのない、不妊症男性355名
(355名の内訳; oligo-, astheno-, teratospermic or normospermic infertile men (OATN men) 314名、 non-obstructive azoospermic men (NOA men)41名)
です。
解析の結果、
骨粗鬆症リスクのない、不妊症男性群では、
不妊症ではない群に比べて、
テストステロン値、腰椎と大腿の骨密度がいずれも有意に低値でした。
(p<0.05)
骨粗鬆症リスクのない不妊症男性群では、
テストステロン値と25(OH)D値が、骨密度の独立したリスク要因(all p < 0.01)でしたが、
不妊症ではない男性群では、相関は認められていません。
テストステロン値による層別解析では、
テストステロン低値の群において、
骨粗鬆症リスクのない不妊症男性群は、不妊症ではない男性よりも骨密度が低値でした。
しかし、テストステロン高値の群では、この相関は見出されていません。
骨粗鬆症リスクのない不妊症男性(OATN)群では、
血中ビタミンD値が精子運動能と形態の独立した有意な決定要因(all p<0.05)でした。
この相関は、不妊症ではない男性では示されていません。
(motility: p=0.047; morphology: p=0.056)
OATN群では、テストステロン値が精子濃度と形態の有意な決定要因となっています。
(all p<0.001)
なお、いずれのグループでも、テストステロン値とビタミンD値との間の相関は見出されませんでした。
以上のデータから、
不妊症ではない男性に比べて、
不妊症の男性では、
テストステロン値と骨密度が低いこと、
不妊症の男性において、
血中ビタミンD値とテストステロン値は、
低い骨密度、低い精子の質と機能と相関すること
が考えられます。
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