今月の農芸化学の専門ジャーナル(電子版)に、神経細胞におけるフコキサンチンの抗炎症作用と抗酸化作用を示した基礎研究が報告されていました。
(
J Agric Food Chem. 2013 Apr 12.)
フコキサンチンは、褐藻類に含まれるファイトケミカルの1種で、抗肥満作用が示されています。
肥満やメタボリック症候群の病態には、慢性炎症があり、
これは、内臓脂肪の過剰な蓄積が関与します。
(内臓脂肪型肥満に伴う脂肪細胞の分泌物の変化や脂肪細胞の肥大化による虚血などが炎症を生じるメカニズムの一つと考えられます。
例えば、肥満になると、悪玉アディポサイトカインのTNF-αやMCP-1といった物質が脂肪細胞から分泌され、炎症を引き起こします。)
そこで、肥満やメタボリック症候群に伴う病態の改善や病気の予防として、抗炎症作用を有するサプリメント・機能性食品が用いられます。
(例えば、オメガ3系脂肪酸EPA/DHAやウコン(クルクミン)などです。)
さて、今回の研究では、神経細胞におけるフコキサンチンの抗炎症作用と抗酸化作用が調べられました。
目的は、アルツハイマー病など神経変性疾患に対する治療の可能性の検証です。
(アルツハイマー病では、炎症や酸化障害が認められます。)
具体的には、
アミロイドβ42誘導性BV2ミクログリア(microglia 小膠細胞)を用いて、
フコキサンチンの投与が行われています。
解析の結果、
フコキサンチン投与によって、
BV2ミクログリア細胞における炎症反応の抑制が認められたということです。
フコキサンチン投与は、
MAPK経路のリン酸化を抑制し、
フリーラジカルによるDNA酸化障害もおさえました。
この抗酸化作用は、
細胞内の活性酸素種の発生抑制と、抗酸化酵素活性の回復によるものでした。
以上のデータから、
フコキサンチンは、
神経細胞において、
炎症や酸化障害に関係する反応を抑制し、
神経細胞を保護することが考えられます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
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