脂質研究の専門ジャーナルに、ADHDの小児に対するオメガ3系脂肪酸(EPA・DHA)の投与による認知機能の改善効果を示した臨床研究が、ドイツのグループから報告されていました。
(
Prostaglandins Leukot Essent Fatty Acids. 2014 May 28)
ADHD (注意欠陥・多動性障害Attention Deficit / Hyperactivity Disorder)とは、多動性や衝動性、注意低下などを特徴とし、発達障害のひとつとされています。
(米国での罹患率は、若年者の6-9%、成人の3-5%ということです。
また、若年者の罹患率は、世界的に類似した数値です。)
ADHDでは、主たる症状として、感情コントロールに乏しいことが知られています。
これまでの研究では、
小児や青少年のADHD患者におけるオメガ3系脂肪酸低値やオメガ3系必須脂肪酸サプリメントの働きが示唆されてきました。
そこで、今回の研究では、
EPAとDHAの投与によるADHD小児の症状への影響が検証されました。
具体的には、
16週間のランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
ADHDと診断された6−12歳の小児95名を対象に、
EPAとDHAが投与され、
認知機能関連指標が測定されました。
また、81名の被験者では投与前後で赤血球膜中の必須脂肪酸構成比の測定が行われています。
解析の結果、
オメガ3系脂肪酸(EPAとDHA)の投与によって、
ワーキングメモリの改善作用が認められたということです。
ワーキングメモリの改善効果は、
EPAやDHAの上昇、
アラキドンさんの減少
と相関していました。
その他の認知機能関連指標では有意な変化は見出されていません。
今後、ADHD小児患者に、EPA・DHAのオメガ3系必須脂肪酸サプリメント投与による症状改善が見られるかどうかといった介入研究による検証が期待されます。
EPAや
DHAなどのオメガ3系必須脂肪酸は、抗炎症作用・動脈硬化予防作用、認知機能改善作用、抗うつ作用など多彩な働きが示されています。
EPAやDHAといったオメガ3系脂肪酸では、抗炎症作用を介した動脈硬化抑制作用による生活習慣病予防効果が知られています。
オメガ3系脂肪酸の抗炎症作用のメカニズムとして、以前は、オメガ6系との比率からアラキドン酸カスケードへの機序が考えられていました。
現在では、これに加えて、EPAとDHAの代謝物自体に抗炎症作用があることがわかっています。
臨床研究におけるオメガ3系脂肪酸の投与量は、1日あたり数百ミリグラムから4グラム程度です。
また、EPA:DHA=2〜3:1の割合です。
日本人の食事摂取基準では、EPAおよびDHAの摂取量を一グラム/日としています。
EPAもDHAも、どちらも健康維持や疾病予防に重要です。
一般に、
DHAは脳の栄養素、
EPAは血管の栄養素といえるでしょう。
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