クルクミンによる肝障害抑制効果を示した基礎研究が,エジプトのグループから報告されていました。
(Vet Ital. 2010 Jan-Mar;46(1):83-92.)
クルクミンはウコンの主要成分であり,抗炎症作用や抗酸化作用による機能性が知られています。
今回の研究では,ラットを用いて,酸化障害および肝臓障害に対するクルクミンの作用が検証されました。
具体的には,エタノール(ethanol 5 mg/kg体重)を12週間投与し,1日あたり100 mg/kgの用量でクルクミンを併用投与した群と,各種の対照群との比較が行われています。
(合計10群中9群にクルクミン投与。負荷群はエタノールの他,ひまわり油,加熱処理ひまわり油。)
解析の結果,エタノール負荷によって,血中AST,ALT,ALP,総ビリルビン,コレステロール,中性脂肪,LDLの上昇,HDL,タンパク質,アルブミンの減少が認められました(対照群との比較)。
また,抗酸化酵素活性の抑制も見出されています。
一方,クルクミンを併用投与した群では,非投与群に比べて,肝障害指標の抑制,酸化障害の抑制が示されたということです。
以上のデータから,アルコール(エタノール)負荷による肝障害の抑制に対するクルクミンの有用性が示唆されます。
今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。
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