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ノルウェイのがん患者での補完代替医療(CAM)利用状況:トロムソ第7回調査研究 [2020年01月02日(木)]
補完代替医療研究の専門ジャーナルに、ノルウェイのがん患者における補完代替医療(CAM)・伝統医療(TM)の利用状況を調べた研究が、トロムソ大学のグループから報告されていました
(BMC Complement Altern Med , 19 (1), 341, 2019 Nov 29)


これまでの研究により、がん患者では、補完代替医療(CAM)・伝統医療(TM)が広く利用されていることが示されています。

今回の研究では、

ノルウェイのがん患者におけるCAM・TMの利用状況が調べられました。

なお、トロムソ大学は、ノルウェイの4つの国立大学の一つで、補完代替医療研究のための国立センターが設置されています。
(トロムソは北極圏にあり、北極へのアプローチのための街としても知られています。)


CAM・TMは、

ノルウェイ北部にて、がん患者に広く利用されており、

特に、伝統的なヒーリング/癒しのような、精神的な形態で用いられています。


CAM・TMは、主に、標準治療への補完療法として用いられていますが、


通常医療の医療従事者と議論することはほとんどないため、

標準治療とのネガティブな相互作用のリスクも生じえます。


今回の研究の目的は、

トロムソのがん患者において、

CAM・TM利用の状況が調べられました。


具体的には、

2015年から2016年に、トロムソTromsøでの7回目の調査として、

40歳以上のトロムソすべての住民が参加に招待され(n = 32,591)、

そのうち21,083名が参加しました(回答率65%)。

データは、3つの自己管理アンケートと包括的な臨床検査を通じて収集されました。

解析の結果、

回答者の8パーセント(n = 1636)が、

がんに罹患している(n = 404)、

または、がんを罹患していました(n = 1232)。

現在のがん罹患者のうち

33.4%が一年以内に、CAM・TMを利用していました。


13.6%は、CAM・TMプロバイダーに相談し、

17.9%が、ハーブ/自然療法を使用し、

6.4%が自助(セルフヘルプ)テクニックを実践しました。


現時点のがん罹患者は、

がんの既往者よりも、

CAM・TMプロバイダーを訪問していました(13.6%vs.8.7%, p = 0.020)。

現在のがんの罹患者のうち、

6.4%がCAM・TMプロバイダーに相談したと報告し、

5.8%が鍼灸師に相談し、

4.7%が他のCAMプロバイダーに相談したと報告しました。


女性は、

男性よりも鍼治療や自助テクニックを使用した割合が有意に高値でした。

他のCMプロバイダー、TMプロバイダーへの訪問、またはハーブ/自然療法の使用に関して、性別に大きな違いは見られませんでした。


以上、

今回の調査結果は、

がん患者において、

公的な医療ケアシステム以外に、

CAM・TMが利用されていることを示しており、

先行研究と一致した結果となっています。


ハーブ療法の一部は、がんの標準治療との相互作用も想定されるため、医療従事者とのコミュニケーションの重要性が示唆されます。




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地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



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