ピクノジェノールによる勃起障害(ED)改善作用を示した臨床研究が、報告されていました。
(Bratisl Lek Listy 2019, 120 (12), 941-944)
ピクノジェノールは、フランス海岸松に由来する機能性食品素材で、フラボノイド類が主成分です。
フラボノイド類による抗炎症作用や抗酸化作用を介した効果が示されており、生活習慣病の予防や改善作用から、アンチエイジング医学まで、広く利用されています。
EDは、糖尿病の合併症としても生じる疾患です。
先行研究では、次の報告があります。
ピクノジェノール+L-シトルリンによる勃起障害(ED)改善効果
今回の研究では、
ED患者において、
ピクノジェノール投与によるED及び脂質代謝への作用が検証されました。
具体的には、
ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
ED患者53名(糖尿病患者32名、非糖尿病21名)を対象に、
ピクノジェノール投与あるいは偽薬投与群の2群について、
3ヶ月間の介入が行われ、
投与終了1ヶ月後の時点で、ED症状(IIEF-5)の評価が行われ、脂質代謝指標が調べられています。
解析の結果、
ピクノジェノール投与により、
勃起機能が、糖尿病患者では45%有意に改善、
非糖尿病患者では22%改善傾向が認められました。
また、
糖尿病患者では、
ピクノジェノール投与により、総コレステロール値、LDLコレステロール値、血糖値の低下が見出されました。
(それぞれ20 %, 21 %, 22%)
なお、
非糖尿病患者では、血糖値には影響は認められませんでした。
また、
偽薬投与群では、
糖尿病あるいは非糖尿病患者のいずれでも、変化は見出されませんでした。
以上、今回の研究から、
ピクノジェノールによるEDの改善作用が示唆されます。
ピクノジェノールは、抗炎症作用や抗酸化作用を介して、生活習慣病の予防や改善に有用と考えられます。
ピクノジェノールによる高血圧改善作用:メタ解析
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