今月の高血圧研究の専門ジャーナル(電子版)に、高血圧患者において、降圧薬と葉酸サプリメントの併用による生存率延長を示した臨床研究が、中国と米国のグループから報告されていました。
(Hypertension 2019. Dec 23)
葉酸サプリメントの投与によって、血中ホモシステイン値が低下し、
ホモシステインによる血管内皮障害が抑制されることで、
動脈硬化性疾患のリスクが低下すると考えられます。
(高ホモシステイン血症は、動脈硬化の確立したリスク因子です。)
先行研究であるCSPPTでは、高血圧患者において、降圧剤と葉酸(800㎍)の併用による初発の脳卒中の予防効果(一次予防効果)が示されています。
(中国脳卒中一次予防試験China Stroke Primary Prevention Trial [CSPPT])
このCSPPT(中国脳卒中一次予防試験)では、
高血圧患者において、
降圧剤のエナラプリルと葉酸サプリメントの併用群では、
エナラプリル単独群に比べて、
初発脳卒中の有意なリスク減少が示されました。
今回の研究では、
脳卒中フリーの生涯生存率が検証されました。
具体的には、
CSPPTの19 053人の参加者データから
エナラプリル+葉酸併用群と
エナラプリル単独群について、
生涯増分脳卒中生存率が推計されました。
解析の結果、
エナラプリル単独投与群と比べて、
エナラプリル+葉酸の併用投与群では、
脳卒中に罹患していない(脳卒中フリーの)生涯生存期間が、
1.75ヶ月、延長していました。
四分位範囲は0.73〜2.39ヶ月、
最大で12.95ヶ月と推計されました。
サブ分析では、
より若年層、
男性、
試験開始時の葉酸値が低い、
開始時の収縮期血圧が高い、
開始時の総コレステロールと血糖値が高い、
MTHFRのC677T CTまたはTT多型において、
脳卒中フリー生存率の向上が示されました。
以上のデータから、
高血圧患者において、
降圧剤に加えて、葉酸サプリメントの併用により、
初発脳卒中の予防だけではなく、
脳卒中フリーの生存率の向上が示唆されます。
血中ホモシステイン値が低いと、脳卒中や心血管疾患の発症率が低いことが示されています。
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葉酸サプリメントはACE阻害剤との併用で脳卒中を31%低減する
葉酸の摂取が多いと認知症が半減:フランスでの研究
また、
葉酸サプリメントによる認知症への作用を検討した研究もあります。
例えば、
葉酸サプリメントが軽度認知障害(MCI)を改善する
葉酸サプリメントによる認知機能改善効果
といった報告があります。
今回の研究に関連した別のサブ解析も知られています。
葉酸が網膜アテローム性動脈硬化症リスクを予防@糖尿病合併高血圧症患者
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境町葉酸サプリプロジェクト:健康長寿社会の実現を目指して
葉酸は、食品にも含まれますが、プテロイルポリグルタミン酸という形であり、利用効率は50%です。
一方、サプリメントに利用されている合成された葉酸は、プテロイルモノグルタミン酸であり、生体での利用効率が85%と高いことが特徴です。
葉酸サプリメントの利用は、中高年の動脈硬化予防の点からも推奨されます。
日本での食事摂取基準では、葉酸は、240㎍の摂取が推奨されています。
一方、葉酸代謝にかかわる遺伝子変異により、約16%の日本人では、多めの葉酸摂取が必要です。
そこで、天然型よりも安定して吸収率が高い合成型の葉酸サプリメントを400マイクログラムの摂取が推奨されます。
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