今月の腫瘍学の専門ジャーナル(電子版)に,神経芽細胞腫(神経芽腫)に対するオメガ3系必須脂肪酸の抗がん作用を示した基礎研究が,スウェーデンのグループから報告されていました。
(
Int J Cancer. 2010 May 24)
これまでの疫学調査によって,
DHAや
EPAなどの
オメガ3系必須脂肪酸による抗がん作用が知られています。
また,基礎研究では,例えば,DHAによる神経芽細胞腫のアポトーシス誘導作用などが報告されてきました。
今回の研究では,ヒト神経芽細胞腫モデルラットを用いて,DHAが経口投与され,抗がん作用の有無が検証されています。
血中および組織中のDHA濃度が測定され,腫瘍増殖が解析された結果,対照群では腫瘍の増大が認められたのに対して,DHA投与群では腫瘍増殖の抑制,あるいは部分的な縮小が濃度依存的に示されたということです。
以上のデータから,DHAによる神経芽細胞種に対するリスク低減効果が示唆されます。
今後,標準治療にあわせて用いる補完療法としての臨床的意義の検証が期待されます。
------------------------------------------------------------------
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
------------------------------------------------------------------