脳研究の専門ジャーナルに、テアニンによるストレス誘導時の認知機能障害抑制作用を示した基礎研究が報告されていました。
(
Brain Res. 2013 Mar 29;1503:24-32)
近年の研究によって、緑茶の持つ神経薬理作用が示されてきました。
緑茶の有効成分であるテアニンやカフェインの働きが知られています。
テアニン(γグルタミン酸エチルアミドγ-glutamylethylamide)は、
緑茶に含まれるアミノ酸の一種です。
抗不安作用を有し、興奮を鎮め緊張をやわらげるリラックス効果を示します。
さて、今回の研究では、
L-テアニン投与による、慢性拘束ストレスにおいて生じる認知機能障害への影響が調べられました。
具体的には、マウスを用いて、
1日8時間の拘束ストレスを21日間連続負荷し、
急性拘束ストレス負荷30分前に、
L-テアニン(2 and 4 mg/kg)が投与されています。
4週間の時点で、
Morris水迷路試験やステップスルー(step-through)テストによる評価、
酸化ストレス関連指標やカテコールアミン系の測定が行われています。
解析の結果、
慢性拘束ストレス負荷によって、
認知機能は有意に悪化し、
同時に、
酸化障害の亢進、
海馬や大脳皮質におけるカテコールアミン値の増加、
血中コルチコステロンとカテコールアミン値の増加
が認められました。
一方、L-テアニン投与群では、
認知機能障害の抑制、
酸化ストレス障害の抑制、
に加えて、
脳組織および血中のカテコールアミン上昇の抑制
も見出されたということです。
以上のデータから、
L-テアニンの継続投与によって、
慢性拘束ストレスによる認知機能障害抑制作用が示唆されます。
今後、臨床的意義の検証が期待される分野です。
緑茶の苦味や渋味はカテキン類で、うまみや甘味がテアニンです。
グルタミン酸からの代謝経路において、栽培時の日光曝露量が少ないとテアニンになり、逆に日光曝露が多いとテアニンが分解されカテキン生成を促すということです。
基礎研究では、ラットにテアニン投与による記憶力・学習能力の改善が示されています。
その他、虚血による脳神経細胞の障害軽減作用、降圧作用、脳内セロトニン量の調節作用、カフェインによる覚醒作用を抑制する効果等が報告されています。
予備的な臨床試験では、健常者に200mg/日のL-theanineを投与した結果、リラックス効果が認められたということです。
本邦での臨床試験では、リラックス効果、月経前症候群(PMS)の症状改善、抗肥満作用等が示唆されています。
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