サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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乳酸菌の投与が関節リウマチでの炎症を軽減する [2016年02月29日(月)]
関節リウマチ研究の専門ジャーナルに、乳酸菌の投与による関節リウマチ患者の症状軽減と炎症状態の改善を示した臨床研究が報告されていました。
(Int J Rheum Dis. 2014 Jun;17(5):519-27)


先行研究では、

関節リウマチ患者と健常者では、腸内細菌叢(腸内フローラ)の構成菌種に有意な相違があることが示されています。

ただし、関節リウマチでは、特定の菌種の存在が、病気の原因となるのか、あるいは、関節リウマチに伴う慢性炎症の結果として、特定の菌種の増加や減少といったディスバイオーシスが生じるのかはまだ明確ではありません。

(なお、肥満では、特定の菌種による肥満との因果関係が示唆されています。)


さて、今回の研究では、

関節リウマチ患者において、
乳酸菌サプリメントの投与による炎症マーカーおよび症状への影響が検証されました。


具体的には、

ランダム化二重盲検臨床試験として、

20-80歳の関節リウマチ患者の女性を対象に、
(BMIは40未満、試験開始前の3ヶ月間は医薬品の投与が一定で状態が安定している患者)


サプリメント投与群(30名)
あるいは
偽薬投与群(30名)の2群について、8週間の乳酸菌投与が行われています。


用いられた乳酸菌は、

ラクトバチルス・カゼイLactobacillus caseiの1種です。

(投与量は、Lactobacillus casei 01を10(8) CFU)


病気の症状は、
疾患活動性スコア28(DAS28
EULARレスポンス、
で評価され、

炎症マーカーとして血中のサイトカイン類が測定されています。
(IL-1β, IL-6, IL-10, IL-12, TNF-α)


乳酸菌投与群22名、偽薬投与群24名のデータが解析された結果、


乳酸菌(L. casei 01)投与群では、

炎症マーカーであるhs-CRPの有意な減少、

圧痛や腫脹関節の数の減少(改善)、

グローバルヘルススコアやDAS28の有意な改善が認められたということです。
(P < 0.05)


試験終了時に、
乳酸菌投与群では、より多くの患者が、治療への中等度の反応性が認められました。
(EULARクライテリアによる。P < 0.01)


また、
試験終了時に、

IL-10, IL-12, TNF-αの値に関して、両群間に有意差が認められ、
(P < 0.05)

乳酸菌投与群での好影響が示されています。


以上のデータから、

関節リウマチ患者において、

乳酸菌投与による炎症マーカー改善および症状軽減作用が示唆されます。


今後、補完療法としての臨床的意義の検証が期待されます。





腸内細菌叢(腸内フローラ)を健康に保つ(善玉菌を増やし維持する)には、
・プロバイオティクスの摂取、
・プレバイオティクスの摂取
が重要です。

腸内細菌叢の改善では、食物繊維の有用性はよく知られています。

また、オリゴ糖は、善玉菌を増やす効果がありますので、
乳酸菌と一緒にオリゴ糖もとることが大切です。



乳酸菌は、ベーシックなサプリメントとして利用が推奨されます。

様々な乳酸菌が製品化されていますので、自分にあった菌種を選ぶことが大切です。

具体的には、1ヶ月ほど試してみて、整腸作用も含めて体調をみるようにします。
(整腸作用は、乳酸菌の摂取後数日間の間に変化を感じると思います。もし、軟便あるいは下痢傾向になってしまうのであれば、他の菌種に変更します。

また、1-3ヶ月から数ヶ月間のサイクルで菌種をローテーションしてもいいでしょうし、複数の種類を同時にとることも大丈夫です。

ヨーグルトなどの発酵食品でもいいのですが、数百グラムを毎日食べるのは大変ですし、
確実に乳酸菌を摂るには、サプリメントの利用が手軽で続けやすいと思います。




プロバイオティクスは、様々な有用性が示されています。
最近の研究では、次の報告があります。




プロバイオティクスによる脂質異常症改善効果:メタ解析



プロバイオティクスによるアトピー性皮膚炎の予防効果:メタ解析




プロバイオティクス摂取による脂質代謝改善作用:メタ解析





DHCでは、プロバイオティクスとして、


ビフィズス菌+オリゴ糖


生菌ケフィア


DHC自分でつくるケフィアヨーグルト


複合サプリメント(グッドスルー)



などを製品化しています。



また、プレバイオティクスとしては、

食物繊維

があります。







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サプリメントと医薬品の相互作用ハンドブック―機能性食品の適正使用情報


DHCが日本のサプリを健康にします。


医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】



【健康食品FAQ】


DHCが第1位@利用している(利用したい)メーカー(経産省の調査)

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