今月の薬理学の専門誌に、市販のノコギリヤシ製品についての解析を行ったレポートがイタリアのグループから報告されていました。
(Pharmacology. 2008 Oct 10;82(4):270-275.)
ノコギリヤシ(学名Serenoa repens) 抽出物は、前立腺肥大症に伴う症状の改善作用が臨床試験で報告されており、ハーブサプリメントとして広く利用されています。
今回の研究は、イタリア市場で販売されているノコギリヤシ製品について、製品間あるいはロット間の違いを検証する目的で行われました。
培養細胞を用いたアッセイ系を用いて、5α還元酵素活性に対する影響を指標として、異なる製品の2種類のバッチが調べられています。
(具体的には、Permixon、Saba、Serpens、Idiprost、Prostamev、Profluss、Prostilといった製品が解析の対象となりました。)
解析の結果、製品間に違いは認められましたが、いずれの製品でも5α還元酵素阻害活性が示されています。
製品やバッチの違いによって活性に相違が認められたことから、論文著者らは、有効成分の定量や定性の必要性を考察しています。
ノコギリヤシは、前立腺肥大症対策のサプリメントとして、日本でも認知されるようになっています。
ノコギリヤシの有効性については、複数のランダム化比較試験によって既に示されてきました。
今後、消費者にとっては、適切な製品選びが大切と考えられます。
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