今月の代謝内分泌学の専門ジャーナルに、クルクミンによる脂質代謝・糖代謝改善作用を示した基礎研究が報告されていました。
(Metabolism. 2008 Nov;57(11):1576-83.)
クルクミンは、ウコンの主な成分の1種です。
今回の研究では、モデル動物を対象に、高脂肪食を摂取させ、クルクミン(0.05g/100g餌)の併用投与による代謝への影響が検討されました。
その結果、クルクミン投与によって、血中の遊離脂肪酸、総コレステロール、中性脂肪、レプチンの値、インスリン抵抗性指標がそれぞれ有意に低下したということです。
一方、HDLおよびapoA-1値は、対照群に比べて、クルクミン投与群における増加が認められています。
さらに、クルクミン投与によって、肝臓組織中でのコレステロールや中性脂肪の低下も示されました。
肝臓組織中では、β酸化の有意な亢進も認められています。
以上のデータから、ウコンの有効成分であるクルクミンによる脂質代謝および糖代謝の改善作用が示唆されます。
今後、臨床的意義の検討が期待される分野です。
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