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COPD(慢性閉塞性肺疾患)に対するCoQ10の作用 [2013年07月02日(火)]
呼吸器疾患研究の専門ジャーナルに、COPD(慢性閉塞性肺疾患)に対するCoQ10(コエンザイムQ10)の作用を示した臨床研究が報告されていました。
(Multidiscip Respir Med. 2013 Jun 21;8(1):40)




COPD(慢性閉塞性肺疾患)では、呼吸困難や運動耐用能の低下といった慢性呼吸不全の症状に加えて、栄養障害、筋肉喪失なども生じるため、QOLの改善が必要とされます。




これらは、ミトコンドリアでのエネルギー産生の低下、ホスホクレアチンの減少などを伴うエネルギー収支の不均衡が一因と考えられます。




そこで、今回の研究では、

クレアチンおよびコエンザイムQ10(CoQ10)サプリメントの投与によって、

COPDによる呼吸状態や運動能への影響が調べられました。




具体的には、

慢性呼吸不全で長期間、酸素療法を行っているCOPD患者55名を対象に、

ランダム化二重盲検試験として、

・A群:クレアチン(340mg)+CoQ10(320mg)

・B群:偽薬

の2群について2ヵ月間の介入が行われました。




介入の前後で、

体組成や血液ガス分析、呼吸困難の評価(VAS, Borg, BDI, MRC)、ADL、6分間歩行テスト、QOL (SGRQ)といった指標が測定され、

6か月ごと1年後に電話でのフォローアップも行われています。





解析の結果、

2か月後の時点での除脂肪体重は、

サプリメント投与群では+ 3.7 %、

偽薬群では- 0.6 %

であり、

両群間に有意差が見出されました(p < 0.001)。





また、6分間歩行テストでも、サプリメント群において有用性が示されています。



さらに、

サプリメント投与群において、

呼吸困難指標の改善(VAS: p < 0.05; Borg: p < 0.05; MRC: p < 0.001; BDI1: p < 0.05; BDI3: p < 0.03)、

ADLの改善、

QOLの改善が見出されました。





これらの指標は、偽薬群では有意な変化は認められていません。





以上のデータから、

慢性呼吸不全を示すCOPD患者では

クレアチンとコエンザイムQ10サプリメントの投与によって、

体組成の改善(筋肉量低下抑制)、呼吸困難症状の改善、QOLの改善作用などが示唆されます。









コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。



還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)


コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。


したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。


一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、還元型CoQ10の利用が推奨されます。







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