今月の栄養学の専門ジャーナルに、健常者における緑茶による報酬学習の改善と抗うつ作用を示した臨床研究が報告されていました。
(
Nutr J. 2013 Jun 18;12(1):84.)
これまでに、基礎研究および予備的な臨床研究において、
緑茶によるうつ病の予防作用、抗うつ作用が示されています。
また、うつ病のコア症状であるアンヘドニア(無快楽症)と、報酬学習の阻害との関連が示唆されています。
ただし、緑茶の摂取と、報酬学習およびうつ病との関連は明確ではありません。
そこで、今回の研究では、
緑茶投与による報酬学習およびうつ病スコアへの影響が調べられました。
具体的には、
二重盲検ランダム化偽薬対照試験として、
健常者74名を対象に、
緑茶あるいは偽薬の5週間投与が行われ、
報酬学習の測定、
(monetary incentive delay taskにて評価)
およびうつ病関連スコアの測定が行われました。
(MADRSとHRSD-17にて評価)
解析の結果、
偽薬群に比べて、
緑茶投与群では、報酬学習の有意な改善効果が認められたということです。
(タスク負荷時の反応時間の有意な減少)
また、緑茶投与群では、うつ病スコアの有意な低下(改善)も見出されました。
以上のデータから、
緑茶によるうつ病リスク低減作用、報酬学習改善による無快楽症リスク低下作用が示唆されます。
これまでの多くの疫学調査で、緑茶の摂取と、胃がんなどのリスク低下との関連が示されています。
また、基礎研究では、緑茶ポリフェノールによる抗がん作用や抗酸化作用が見出されており、緑茶による抗がん効果が確立されています。
(ただし、緑茶ポリフェノール/カテキンによる介入効果は緩徐であるため、その抗がん作用を見出すことができなかった偽陰性の疫学データも散見され、ネガティブデータを好んで取り上げるメディアでみることもあります。)
DHCでは
カテキンの他、
緑茶製品も扱っています。
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