今月の生化学の専門ジャーナル(電子版)に、エクストラバージンオリーブオイルとCoQ10(コエンザイムQ10)の併用による抗酸化作用を示した臨床研究が、イタリアのグループ(Polytechnic University of Marche)から報告されていました。
(
Biofactors. 2012 Apr 10. )
オリーブオイルは、脂質代謝に好影響を与え、動脈硬化を予防し、心臓病のリスクを減らすことが知られています。
特に、近年の研究では、エクストラバージンオリーブオイルが、オリーブ由来のポリフェノールを豊富に含み、健康保持や疾病予防の機能性に優れていることも示されています。
コエンザイムQ10は、体内で産生される成分で、ミトコンドリアで作用します。
抗酸化作用とATP産生作用を介した生活習慣病予防効果が知られており、アンチエイジング分野では基本となるサプリメントです。
さて、今回の研究では、コエンザイムQ10(CoQ10)を加えたエクストラバージンオリーブオイルによる血中脂質および酸化還元状態への影響が調べられています。
具体的には、被験者12名を対象に、
まず、1日あたり20mLのエクストラオリーブオイルを2週間投与し、
続く2週間では、オリーブオイルに、20mgのCoQ10を加えて投与、
さらに続く2週間では、40mgのCoQ10を加えた投与が行われました。
それぞれの介入期間において、脂質やCoQ10値、ORAC値などが測定されています。
解析の結果、
CoQ10投与によって、血中CoQ10値は、有意に増加しました。
(用量:20 mg (+73%) および40 mg (+170%))
このとき、血中の酸化CoQ10の割合は、有意に低下しています。
酸化CoQ10の割合(%)と、総抗酸化能との間には有意な負の相関が認められました。
LDLの過酸化に対する感受性の低下も見出されています。
さらに、HDL中のCoQ10値と、 パラオキソナーゼ-1活性との間には有意な正の相関が示されました。
(パラオキソナーゼ1;Paraoxonase-1(PON-1)は、HDL結合型カルシウム誘導エストラーゼで、抗酸化作用や抗動脈硬化作用を有し、動脈硬化を予防します。)
以上のデータから、
エクストラバージンオリーブオイル+CoQ10の組み合わせは、
20mgあるいは40mgのいずれのCoQ10の用量でも、
血中レドックス(酸化還元)状態に有意な好影響を与えることが示されました。
コエンザイムQ10には、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)と還元型(=ユビキノール,ubiquinol)があります。
還元型CoQ10のほうが、酸化型CoQ10よりも体内で利用されやすいと考えられます。
(酸化型CoQ10は、体内に吸収された後、いったん還元されてから、利用されます。)
コエンザイムQ10に関するこれまでの研究の多くは、酸化型(=ユビキノン,ubiquinone)を用いています。
したがって、一般的には、生活習慣病の予防やアンチエイジング目的に関して、
酸化型CoQ10のユビキノンの摂取で十分な効果が期待できます。
一方、特定の疾患に対して用いる場合、あるいは、体内の生理機能が低下している高齢者の場合には、
還元型CoQ10の利用が推奨されます。
DHCでは、ポリフェノールが豊富で機能性が示されているエクストラバージンオリーブオイルを取り扱っています。
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オリーブオイルは味が大好きなので
重宝しています。
健康にもいいんですよね。