肥満研究の専門誌に、卵の朝食が減量をサポートするという研究が米国のグループから報告されていました。
(Int J Obes (Lond). 2008;32:1545-51.)
今回の研究では、カロリー制限によるダイエットに参加中の肥満者を対象に、総エネルギー量を一致させた、卵の朝食とベーグルの朝食との効果の違いが検討されています。
25歳から60歳の男女152名(BMI 25以上、50以下)を対象に、卵摂取群、卵ダイエット群、ベーグル摂取群、ベーグルダイエット群の4群にて比較が行われました。
卵の朝食では340kcal相当の卵2個、ベーグルの朝食では同じカロリーのベーグルが、1週間に最低5回利用されています。
また、卵ダイエット群とベーグルダイエット群は、カロリーが1,000kcalに制限された低脂肪食を摂取し、卵摂取群とベーグル摂取群では特に摂取エネルギー量に変更は行われていません。
8週間後、ベーグルダイエット群に比べて卵ダイエット群では、BMIの減少幅が61%大きく(-0.95±0.82 vs. -0.59±0.85, P<0.05)、減量幅が65%大きかった(-2.63±2.33 vs. -1.59±2.38 kg, P<0.05)という結果が得られました。
また、ウエスト周囲径の減少幅は34%大きかったということです(P<0.06)
一方、卵摂取群とベーグル摂取群とでは特に有意な変化は認められていません。
なお、総コレステロール値、HDL、LDL、中性脂肪といった脂質代謝指標について、各群間での有意な差は示されませんでした。
以上のデータから、卵の朝食は、ベーグルの朝食よりも減量サポートに効果的であることが
示唆されます。
(摂取カロリーの制限と併用する場合です。)
これは、高タンパク食(卵)のほうが、高炭水化物食(ベーグル)よりもダイエットには好ましいというデータと考えられます。
|