サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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マルチビタミン/ミネラルサプリメントと小児の認知機能の関係 [2008年11月06日(木)]
今月の栄養学の専門誌に、マルチビタミン・マルチミネラルサプリメントの投与が小児の認知機能に好ましい影響を与えるという研究が、イギリスのグループから報告されていました。
(Br J Nutr. 2008 Nov;100(5):1086-96.)



健康保持と疾病予防には、適切な食生活が基本であるという原則に異論はないと思います。

一方で、ライフスタイルは大きく変化しつつあり、流通する食材/食品も以前とまったく同じものというわけではありません。

そこで、「バランスのとれた食生活を送りましょう」という助言以外に、サプリメント/健康食品を補完的に利用するという選択肢があります。

例えば、マルチビタミン・マルチミネラルといったサプリメントは、ベーシックなサプリメントとして年齢や性別を問わず広く利用されています。



さて、今回の研究では、健康な小児を対象に、マルチビタミン・マルチミネラルのサプリメントを毎日与えることで、認知機能や気分に影響があるかどうか、検討されています。


8歳から14歳までの健康な小児81名を対象に、小児向けサプリメント(小児向けビタミン/ミネラル)を12週間投与し、投与前後における認知機能と気分が評価されました。

(ランダム化二重盲検偽薬対照法にて実施。)


各種の認知機能(speed and accuracy of attention、secondary, semantic, spatial working memory、各種のTask)や気分関連指標等が解析された結果、注意力(attention task)や反応性の指標において、マルチビタミン・マルチミネラルサプリメント投与群における改善傾向(正確さ)が認められたということです。



論文著者らは、健康な小児に対してビタミンやミネラルのサプリメントを与えることは、脳の高次機能の潜在的な改善に有用であると考察しています。



これは、健常者を対象にした研究であり、かつ、必須栄養素を推奨量にて投与した(つまり介入効果は大きくない)試験ですので、明確な差は検出されにくいタイプの研究です。

検出力不足となりやすいタイプの臨床研究で、効果が示唆されたことに意義があると考えます。

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