今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に,ビルベリー(野生型ブルーベリー)による炎症関連マーカーへの影響を調べた臨床研究が,ノルウェイのグループから報告されていました。
(
Eur J Nutr. 2010 Feb 2)
ブルーベリーの野生種であるビルベリーは,眼精疲労改善作用や抗酸化作用が知られており,
機能性食品素材/サプリメントとして広く利用されています。
有効成分として,ファイトケミカルの1種であるアントシアニン類が存在します。
今回の研究では,心血管疾患のリスクを有する被験者を対象に,ランダム化比較試験として,ビルベリー果汁による血中の炎症および酸化関連マーカーへの影響が検討されました。
具体的には,ビルベリー果汁投与群(n=31)あるいは水投与群(n=31)の2群に分けて4週間の介入試験が行われています。
ビルベリー投与の結果,血漿CRP,IL-6,IL-15,MIG(INFγ誘導性モノカイン)の有意な低下が認められました。
一方,TNF-αは上昇しています。
これらのCRP, IL-6, IL15, MIG, TNF-αは,いずれもNF-κBのターゲットであり,炎症反応に関与します。
また,ビルベリー投与群では,血中のケルセチンとクマル酸の増加が示されました。
さらに,単球におけるLPS誘導性NF-κB活性について,ケルセチンやエピカテキン,リスベラトロールによる活性化が認められたということです。
以上のデータから,ビルベリー由来のポリフェノールが炎症調節作用を有することが示唆されます。
今後,慢性炎症性疾患の予防や改善におけるビルベリーの臨床的意義の検討が示唆されます。
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