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フラボノールによる結腸がん抑制作用 [2010年02月06日(土)]
今月の栄養学の専門ジャーナルに,フラボノールによる結腸がん抑制作用を示した臨床研究が,イギリスのグループ(University of Aberdeen)から報告されていました。
(Br J Nutr. 2010 Feb;103(3):429-36.)



植物性食品に豊富なファイトケミカルは,抗酸化作用や抗炎症作用を介して大腸がんのリスクを低下させると考えられています。


ファイトケミカルの中ではフラボノイド類の種類が多く,多くの食材に広く分布しています。



今回の研究では,食事由来のフラボノイド類,および茶以外のフラボノイド類の摂取量と,大腸がん(結腸がん+直腸がん)のリスクとの関係が,症例対照研究にて検討されました。


具体的には,病理組織学的に確定診断された大腸がん264例と,正常対照例408例について,食事調査が行われ,フラボノイド類の摂取量が測定されています。


解析の結果,全フラボノール量,プロシアニジン,フラボン-3-ol,フラバノン量と,大腸がんとの間に有意な相関は認められませんでした。


一方,茶以外の食事に由来するフラボノール摂取量が多いと,大腸がんのリスクが低下するという相関が示されています。

(OR 0.6; 95 % CI 0.4, 1.0)



がんの部位とフラボノールの種類に関する層別分析では,(茶以外の)ケルセチン摂取が多いと,結腸がんの発生リスクは有意に低下(OR 0.5; 95 % CI 0.3, 0.8; P(trend) < 0.01)し,直腸がんについては,有意差は認められていません。



以上のデータから,フラボノール,特にケルセチンは,大腸がん(結腸がん)のリスクを低下させることが示唆されます。



(なお,紅茶の摂取量が多いと思われるイギリスでの研究なので,統計学的な有意差が茶以外と設定した場合に認められたと思われます。
紅茶などに含まれるポリフェノールの機能性は,既に多くの研究で示されています。)



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