産婦人科学の専門ジャーナルに,レッドクローバー由来のイソフラボンによる脂質異常症改善作用を示した予備的な臨床研究が,セルビア(University of Belgrade)のグループから報告されていました。
(
J Obstet Gynaecol Res. 2009;35(6):1091-5.)
植物性エストロゲンであるイソフラボン類は,女性ホルモン様作用を有することから,女性特有の症状緩和などの効果が期待できます。
サプリメントに用いられている機能性成分としては,
大豆イソフラボンが広く知られていますが,その他にも,
レッドクローバーや
プエラリアミリフィカ
などがあります。
また,更年期の諸症状対策を目的とした
複合サプリも製品化されています。
更年期以降,女性ホルモンである内在性のエストロゲンが低下すると,コレステロール上昇のリスクが高まります。
17β-エストラジオールと類似した構造を有する植物性エストロゲンは,脂質代謝改善作用が期待されます。
そこで,今回の研究では,閉経後の女性を対象に,レッドクローバー由来イソフラボンによる脂質代謝への作用が検証されました。
具体的には,健康な閉経後女性40名(平均年齢56歳)を,レッドクローバー投与群(n=22)と対照群(n=18)の2群に分けて,12ヶ月間の介入試験が行われています。
脂質代謝関連指標は,投与前後,4ヵ月ごとに実施されました。
その結果,血中総コレステロール値,LDLコレステロール値,中性脂肪は,レッドクローバー投与群において有意に低下(改善)したということです。
また,HDL(善玉)コレステロール値の有意な上昇(改善)も認められています。
このとき,特に有害事象/健康被害は見出されていません。
以上のデータから,レッドクローバー由来イソフラボンは,更年期以降の女性において脂質異常症改善作用を示すと考えられます。
今後,さらにエビデンスの構築が期待される分野です。
なお,脂質異常症に対する第一選択の機能性食品素材/サプリメントは,(私見ですが)
紅麹です。
コエンザイムQ10との併用が推奨されます。
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医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
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