サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ビタミンEによる非アルコール性脂肪肝炎の改善作用 [2010年02月11日(木)]
今月の栄養学の専門ジャーナル(電子版)に,αトコフェロールとγトコフェロールによる非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の改善作用を示した基礎研究が,米国のグループ(University of Connecticut)から報告されていました。
(J Nutr Biochem. 2010 Feb 4)



非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の発症には,酸化ストレスの関与が示唆されています。



そこで,抗酸化作用を有するビタミンEによって,NASHに対する効果が期待されます。



ビタミンEは,トコフェロールとトコトリエノールに分けられ,さらに,それぞれがα,β,γ,δの4種類であることから,合計8種類になります。



サプリメントのビタミンEは,一般にαトコフェロールです。


γトコフェロール天然ビタミンEも製品化されています。




今回の研究では,肥満モデルマウスであるob/obマウスを用いて,LPS誘導性NASHに対する,αトコフェロールとγトコフェロールの作用が検証されました。


具体的には,

--αトコフェロールとγトコフェロールを各15 mg/kg

--αトコフェロールを500 mg/kg

--γトコフェロールを500 mg/kg

の用量で5週間投与し,さらにLPSが腹腔内に投与されています。



その結果,肝臓中のαトコフェロールおよびγトコフェロールの濃度は,それぞれ有意に増加し,LPSの作用は抑制されたということです。


LPS誘導性NASHにおいて,ALTは86%まで上昇したのに対して,いずれかのトコフェロールを投与した群では29-31%の上昇にとどまっています。


その他,MDAやTNFαの上昇も,トコフェロール投与によって抑制されました。


血中ALTの値は,肝臓のTNFαやMDAと有意に相関することから,LPS誘導性肝障害における炎症および脂質酸化による機序が考えられます。



今回の実験から,αトコフェロールおよびγトコフェロールは,抗炎症作用や抗酸化作用を介してLPS誘導性NASH/肝障害を抑制することが示唆されます。



今後,臨床的意義の検討が期待される分野です。


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