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こだわらないこころ [2007年04月08日(日)]

中学時代にいった奈良・京都への修学旅行は、とても楽しい旅行でした

消灯時間後、わたしたちのとなりの男子部屋で話し込んでいた女子が、先生の見回りを察知し、わたしたちの部屋に逃げ込んできたということもありました。そのあと自分たちの部屋へと帰っていきましたが、翌日隠れていたことがばれて、連帯責任で廊下に正座させられ、ねちねちと説教を食らってしまいました。わたしたちの部屋のものはまったく関係ないのに、迷惑な話でした。それにしても、なんで男子部屋から男子部屋に逃げ込んできたのだろう

外出許可をもらい、京都に住んでいる叔父に夕飯におすしをごちそうになったこともありました、・・・などなど、楽しい思い出のある旅行でした。

旅行中、はっきりと記憶に残り、わたしのその後の考え方に強い影響を与えたことばとも出会いました。

それは、奈良・薬師寺に見学に行った時のことです。修学旅行で薬師寺に行かれたかたは、ご存知だと思うのですが、薬師寺では僧侶が修学旅行生を相手に説法をしてくれます。

大きな声でおもしろいお話を交え、説法をしてくれます。説法の細かな内容は忘れてしまいました。しかし、そのとき「こだわらないこころ、それが般若心経」という一節は、どういうわけだが、わたしのこころに深く刻まれました。

いつのころからか、「こだわり」ということばがいい意味で使用されることが目立つようになりました。しかし、わたしが学生のころまでは、「こだわり」ということばは、ささいなことにも執着をもつという悪い意味でつかわれることのほうが多かったように記憶しています。

こだわらないこころ、それが般若心経

いやなことや辛いことがあったとき、こころのなかでつぶやきました。
般若心経は、仏教の根本概念のひとつ、「空」を説くお経だということしか知りませんでしたが、つぶやくことによってもやもやした気持ちが雲散霧消するようになりました。

五年ほど前、日本橋の三越で『薬師寺展』が開催されました。会場では、薬師寺にあるさまざまな美術品や仏像が展示されていました。

展覧会場の出口近くに、薬師寺に納めるための写経用紙が販売されていました。久しく毛筆など握ったことのないわたしですが、悪筆を改善するためにも、写経をはじめてみようかなぁ、と思い、写経用紙を購入しました。そこでは、写経用紙として、般若心経、薬師経、唯識三十頌の三種の経が売られていました。はじめてだったので、一番文字数のすくない般若心経を買いました。

薬師寺の写経はお手本を写経用紙の下に敷いて、その上からなぞるという初心者でも取り組みやすいものです。

うちに帰ってから、写経用紙を開封すると、お手本のおもて面には般若心経が書かれていましたが、うら面にはあの中学のころ聞いたことばが書かれていました。

般若心経のこころ

かたよらない こころ
こだわらない こころ
とらわれない こころ
ひろく ひろく もっとひろく
これが 般若心経 空のこころなり

おぼえていた一節はちょっと違いましたが、あらためて全文を読むととてもたいせつなこころのありようをいってくれているように思います。

最後に念のために一言、わたしはお坊さんではありません 




←ことしのお正月に参拝に行った薬師寺東京別院でいただいた散華です。