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わたしの好きなことば〜その1 [2007年04月13日(金)]

おともだちのココさんの人気シリーズ『名言・名句』の真似をして、ときどきわたしの好きなことばをご紹介することにします。

記念すべき第一回は、イマヌエル・カント(Immanuel Kant)のことばです。


あなたは、あなた自身の人格においてであれ、他者の人格においてであれ、人間性を常に目的として扱い、決して単に手段として扱わないように行動しなさい。

(『人倫の形而上学の基礎づけ』(1785)より、訳文はジェームズ・レイチェルズ著 古牧・次田訳『現実をみつめる道徳哲学』(2003 晃洋書房)p133より引用)



カント(1724-1803)は、近代哲学の大立者で、ドイツ観念論哲学の祖と崇められている哲学者です。カント哲学は、その研究に一生を捧げる研究者がいるほど、深遠で興味深い哲学です。ここでは、彼の哲学について、深く掘り下げることはしませんが、彼についてのおもしろいエピソードをあげておきます。

カントは、たいへん几帳面な性格でした。いつも決まった散歩コースを決まった時間に散歩するため、散歩コースにある家では彼の姿を見て、時計の狂いを調整したとまでいわれています。



胸に刻んでおきたいことばだと思います


【4月14日付補足】

引用した一節だけではわかりづらいので、補足させていただきます。あらかじめお断りいたしておきますが、わかりやすさを優先させたため、学問的厳密性は追求しない説明となっています。

カントのいう人間性を理性とそれをつくりだす能力と置き換えると、もう少し理解しやすくなるかもしれません。

すなわち、

人間は自ら理性を形成することを目的とするべきで、自らの理性をたんにほかの目的を達成するための手段として扱ったり、他人を自らの目的を達成するための道具として利用するべきではない

というようにとらえていただければいいように思います。