今月の薬理学の専門ジャーナル(電子版)に,レスベラトロールの抗炎症作用を示した基礎研究が,スペインのグループ(University of Seville)から報告されていました。
(
Eur J Pharmacol. 2010 Feb 1.)
レスベラトロールは,ブドウや赤ワインなどに含まれるファイトケミカルの1種です。
抗酸化作用や抗炎症作用,抗腫瘍作用,免疫調節作用など多彩な作用が示唆されており,アンチエイジング分野でも注目されている機能性素材です。
今回の研究では,慢性炎症性疾患である潰瘍性大腸炎に対するレスベラトロールの作用が検証されています。
具体的には,マウスを用いて,レスベラトロールを20mg/kgの用量で30日間投与し,実験的に潰瘍性大腸炎が誘導され,対照群と比較が行われました。
解析の結果,レスベラトロール投与群では,体重減少や下痢,大腸出血など疾病活動性や炎症指標が有意に抑制されていたということです。
さらに,レスベラトロール投与群では,対照群に比べて死亡率が低下し,炎症惹起サイトカインであるTNF-αやIL-βの減少が認めら,抗炎症サイトカインであるIL-10の増加が示されています。
その他,COX-2やiNOSの減少も認められています。
以上のデータから,レスベラトロールによる慢性炎症性疾患の改善作用が示唆されます。
今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。
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