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EPA@統合失調症 [2009年10月21日(水)]
今月の脳科学の専門ジャーナルに,統合失調症におけるEPAの働きを調べた臨床研究が報告されていました。
(Metab Brain Dis. 2009 Oct 14.)


EPA(エイコサペンタエン酸)は,魚油に豊富に含まれるオメガ3系必須脂肪酸で,抗炎症作用や動脈硬化性疾患予防作用が知られています。



今回の研究では,統合失調症患者におけるEPAの働きが検証されました。



まず,先行研究では,統合失調症患者40名を対象に,EPAを投与したランダム化二重盲検試験において,偽薬群に比べてEPA投与群における有意な症状改善効果が示されています。

(PANSS;Positive and Negative Syndrome Scaleにて評価。)
(Emsley et al. 2002)




次に,今回は,先行研究の2群(各群n=16)を対象に,赤血球膜における脂肪酸組成が測定されました。



解析の結果,偽薬群に比べて,16週間のEPA投与によって,複数の飽和脂肪酸や単価不飽和脂肪酸が有意に減少した一方,オメガ3系必須脂肪酸は有意に増加したということです。


このとき,20%以上の症状改善効果が認められた被験者では,赤血球膜におけるオメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸のより大きな増加が認められています。


また,脂肪酸の変化とPANSSスコア改善は,男性よりも女性において顕著でした。


その他,アルファリノレン酸の増加と,ジスキネジア/異常運動の改善との間に有意な相関も認められています。


なお,DHAの増加は想定以下であったことから,統合失調症では,DHAの生合成や取り込みにおける障害の存在が示唆されています。




DHAやEPAは,抗うつ作用や双極性障害に対する改善作用が広く知られています。

今回の統合失調症に対する効果と合わせて,オメガ3系必須脂肪酸による中枢神経系への働きが注目されます。



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