がん研究の専門ジャーナル(電子版)に,ビタミン・ミネラルの摂取と膀胱がんとの関係を調べた研究が,オーストラリアのグループから報告されていました。
(
Cancer Causes Control. 2009 Dec 31.)
これまでの研究では,野菜や果物の摂取による膀胱がんリスク低減作用が知られています。
これは,植物に含まれる抗酸化成分・ファイトケミカルによる働きと考えられます。
今回の研究では,ビタミンおよびミネラルの摂取と,膀胱がんリスクとの関係が調べられました。
具体的には,米国ニューハンプシャー州において,322例の症例群と239例の対照群について,121項目の食事調査が行われています。
(症例対照研究です。)
年齢や性別,喫煙歴,摂取エネルギー量で補正し,微量栄養素の摂取量について,4分位の最高位と最低位の比較した結果,
ビタミンE:0.66(0.36-1.20; p trend = 0.09),
リン:0.49 (0.21-1.17; p trend = 0.13)
というデータが示されています。
(これらの栄養素の摂取が多いとリスクが低いという相関です。)
また,ヘビースモーカーでの膀胱がんのオッズ比は,
ビタミンEの最高位:0.58 (0.34-0.99)
カロテノイド:0.62 (0.36-1.09)
ナイアシン:0.66 (0.39-1.14)
となっており,予防効果が示唆されます。
さらに,高齢者では,カロテノイド類,ビタミンD,ビタミンB1,ナイアシン,ビタミンEの摂取が多いと,膀胱がんのリスクが低いという相関が認められました。
以上のデータから,ビタミンやミネラルの一部,およびカロテノイド類の摂取による膀胱がんリスク低減作用が示唆されます。
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