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今月の病理学の専門ジャーナルに,オリーブリーフ(葉)由来のファイトケミカルによる肝臓保護作用を示した基礎研究が,長崎大学のグループから報告されていました。
(
Pathology. 2010 Jan;42(1):66-72.)
オリーブリーフ(葉)抽出物には,オレユロペンなどのファイトケミカルが含まれ,血糖や脂質異常の改善など,生活習慣病に対する効果が示唆されています。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)では,その病態において酸化障害の関与が想定されており,オレユロペンの抗酸化作用による働きが期待されます。
そこで,今回の研究では,高血圧モデルラットを用いて,オレユロペンによる肝臓への脂質蓄積予防効果が検証されました。
具体的には,オリーブリーフ抽出物を500,1000,2000 mg/kgの割合で含む食餌(AIN-93G)が23週間投与され,対照群との比較が行われています。
その結果,1000mg/kg以上の割合でオリーブリーフ抽出物を含む餌を投与した群では,NASHの発症が予防されたということです。
このとき,肝臓では,thioredoxin-1発現が増加し,4-hydroxynonenal発現が抑制されたことから,抗酸化作用が示唆されます。
なお,脂質代謝などに関与する各種の酵素(hepatic carnitine palmitoyltransferase, fatty acid synthase, malic enzyme, phosphatidic acid phosphohydrolase)の活性には,各群間で有意な変化は認められませんでした。
以上のデータから,オレユロペンを含むオリーブリーフ抽出物は,抗酸化作用を介して,NASHを予防することが示唆されます。
今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。
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