今月の看護学の専門ジャーナルに,乳がん患者におけるCAM(補完代替医療)利用状況を調べた研究が,米国のグループ(Michigan State University)から報告されていました。
(
Nurs Res. 2010 Jan-Feb;59(1):58-66.)
これまでの研究によって,乳がん患者の多く(最大80%)が治療中に,QOL改善を目的としてCAMを利用しているとされています。
今回の研究では,早期の乳がんと診断された患者222名を対象に,CAM利用の種類,費用,QOL,外科治療との関連といった項目が調査されました。
その結果,56.8%の女性が少なくとも一つのCAMを利用しており,最も多いのは生物学的な介入方法(43.7%)でした。
(生物学的介入方法は,NIHのNCCAMによるCAMの分類の一つで,サプリメントなどが含まれます。)
教育水準との関連では,(最終学歴が)大学教育未満の女性では,CAMの利用率が有意に低いというデータが示されています(オッズ比=0.36, 95% CI= 0.15-0.86, p < .01)。
一方,有職者(勤労者)の女性は,複数のカテゴリーのCAMを利用するという有意な相関が認められました(オッズ比= 2.42)。
また,QOLが低いと,CAM利用率が高いという相関も示されています(オッズ比= 0.97, 95% CI = 0.95-0.99, p < .01)。
以上のデータから,乳がん女性におけるCAM利用と,QOLや教育水準との関連が示唆されます。
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