今月の生薬学の専門ジャーナル(電子版)に,プロポリスによる抗菌作用(抗MRSA作用)を示した基礎研究が,英国のグループ(University of Strathclyde)から報告されていました。
(
Phytother Res. 2010 Jan 13.)
プロポリスとは,蜜蜂が樹木から集めた植物成分に,蜜蜂の分泌物が合わさって作られた物質です。
主な成分はフラボノイド系ファイトケミカルであり,殺菌作用や抗酸化作用が知られています。
今回の研究では,抗MRSA活性を有する新規成分を探索する目的で,ソロモン諸島の民間療法で用いられているプロポリス('Pacific propolis')の作用が検証されました。
15株のMRSA株に対して,
in vitro系でのアッセイが行われた結果,抗MRSA活性が見出されたということです。
プロポリス抽出物23フラクションの解析では,
プレニルフラバノン(Prenylflavanone)類の
propolin H,
propolin G,
propolin D,
propolin C
といった有効成分が同定されました。
また,MICは,
propolin Dでは8-16 mg/L,
propolin Cでは8-32 mg/L
という値になっています。
今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。
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