栄養学の専門ジャーナル(電子版)に,コーヒーの摂取と痛風リスクとの関連を示した疫学研究が,米国のグループ(Boston University)から報告されていました。
(
Am J Clin Nutr. 2010 Aug 25.)
今回の研究では,89,433名の女性を対象に,26年間フォローアップし,コーヒーの摂取と痛風リスクとの関連が検証されています。
(痛風は男性に多い疾患ですが,今回はNurses' Health Studyからのデータで,女性の被験者についての解析です。)
2-4年ごとに,レギュラーコーヒー,カフェイン抜きのコーヒー,茶,カフェイン摂取量に関する調査が行われました。
26年間のフォローアップ中,896例の痛風が見出されています。
コーヒーの摂取量が多いほど,痛風のリスクが低下するという相関が認められたということです。
具体的には,1日あたりのコーヒー摂取量と,痛風リスクの関係は,
0;1.00
1-237mL;0.97
238-947mL;,0.78 (95% CI: 0.64, 0.95)
948 mL以上;0.43 (95% CI: 0.30, 0.61; P for trend < 0.0001)
でした。
また,カフェイン抜きのコーヒーでは,1日あたりの摂取量との関係は,
0;1.00
1-237mL;1.02
237 mL以上;0.77(95% CI: 0.63, 0.95; P for trend = 0.02)
となっています。
さらに,全カフェイン摂取量についても,痛風リスクと負の相関が見出されています。
(5分位最高群は,最低群に比べて,48%のリスク低下。)
以上のデータから,女性において,コーヒーの長期的な摂取による痛風リスクの低下作用が示唆されます。
(といっても,痛風の予防や改善にコーヒーの摂取が推奨されているわけではありません。
特に男性では,食習慣全般の改善が必要と考えられます。)
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