動脈硬化研究の専門ジャーナル(電子版)に,肥満者におけるオメガ3系脂肪酸の効果を検証した臨床研究が,スウェーデンのグループ(University of Gothenburg)から報告されていました。
(
Atherosclerosis. 2010 Jul 21.)
一般に,正常体重者に比べて肥満者では,オメガ3系脂肪酸(EPAやDHAなど)の摂取量が少なく,肥満の病態に関与する慢性炎症の持続,血管内皮機能異常も指摘されています。
(肥満に関与するのは慢性炎症という病態です。動脈硬化も慢性炎症が要因であることが知られています。外傷などによって生じる急性炎症とは異なる病態です。)
そこで,今回の研究では,肥満者にオメガ3系脂肪酸をサプリメントとして投与し,血管内皮機能や炎症といった病態が改善するかどうか,検証されました。
具体的には,肥満者25名(男性11名,女性14名,平均年齢15.7歳,BMI 33.8)を対象に,1日あたり1.2グラムのオメガ3系脂肪酸あるいは偽薬が3ヶ月間投与されています。
(ランダム化二重盲検クロスオーバー法。6週間のwash-out)
オメガ3系脂肪酸投与の結果,
血中オメガ3系脂肪酸値の上昇,
偽薬群に比べて,反応性充血の有意な改善(p<0.01),
が認められたということです。
また,オメガ3系投与によって,リンパ球や単球,TNF-α,IL-6,IL-1β値の低下も示されています。
一方,総コレステロール,中性脂肪,HDL,血圧,体組成等では有意差は見出されていません。
以上のデータから,オメガ3系必須脂肪酸サプリメントの投与は,肥満者における血管機能の改善および炎症反応の抑制に有用であると考えられます。
オメガ3系脂肪酸は,青魚などに豊富に含まれます。
毎日確実に摂取するために,サプリメントの利用も可能です。
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