今月の栄養学の専門ジャーナルに,白インゲン豆抽出物による摂食抑制作用を示した基礎研究が,イタリアのグループから報告されていました。
(
Br J Nutr. 2010 Sep;104(5):624-8.)
白インゲン豆(学名
Phaseolus vulgaris)抽出物には,炭水化物分解酵素であるアミラーゼ活性を抑える作用があり,炭水化物の吸収抑制や遅延を介した体重調節作用が知られています。
ダイエット(減量)目的の
機能性食品成分として用いられており,臨床研究でも有用性が示されています。
さて,今回の研究では,自発的な摂食行動に対して白インゲン豆の投与がどのように影響するか,検証されました。
具体的には,ラットを用いて,レバー押し反応を介したチョコレートフレーバー飲料の摂取量が測定され,白インゲン豆投与による影響が検証されています。
(レバー押し反応を訓練することで,フレーバー飲料を摂取するオペラント条件づけの行動形成の実験系です。)
白インゲン豆抽出物を50,200,500mg/kg体重の用量で前投与した結果,フレーバー飲料の摂食量が,それぞれ15,35,40%減少したということです。
以上のデータから,白インゲン豆による嗜好飲料の摂取抑制作用が示唆されます。
これまでの研究で示されてきた作用機序は,白インゲン豆による炭水化物の吸収遅延/抑制を介した抗肥満作用でした。
一方,今回の実験では,自発的な摂食量の低下が認められたことから,(神経系や液性因子を介した)中枢への作用機序が推定されます。
今後,臨床研究による検証が期待される分野です。
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