サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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食前の水摂取による減量効果 [2010年08月31日(火)]
今月の第240回ACS(米国化学会)にて,食前の水摂取による減量効果を示したランダム化比較試験が,米国のグループ(Virginia Tech)から報告されていました。
(2010 ACS 240th, Boston)



これまでの研究では,食前の水摂取によって摂取エネルギーが1日あたり300kcal減少することが示されています。

(同じグループによる報告ですPMID: 18589036)



今回の研究では,55歳から75歳の被験者48名を対象に,水摂取群と非摂取群の2群に分けて,コップ2杯(1杯は8オンス,約227mL)の水を,1日3食の食前に摂取させ,12週間にわたる影響が検証されています。


(試験期間中,被験者全員が低カロリー食を摂取しています。)


その結果,非摂取群では11ポンドの減量であったのに対して,水摂取群では15.5ポンドの減量効果が認められたということです。



作用メカニズムとしては,胃の機械的な拡張によって神経系あるいはホルモン系を介したシグナルが摂食中枢に伝達されることで食欲が抑制され,減量効果を見出せたと考えられます。

(したがって,必ずしも水である必要はなく,カロリーのない飲料であれば同様の効果が期待できます。また,カロリーの少ない野菜サラダを先に食べましょう,という食事指導と同じメカニズムです。)


(糖類の多い飲料では効果が期待できないですし,大量の水を短期間に摂取すると低ナトリウム血症などによる水中毒のリスクがあります。以前にこのブログでも紹介しましたが,極端な例では,死亡例も知られています。)



毎食前に,水やお茶などカロリーのない飲料を適量摂取する(今回の研究では約454mL×3回)という方法は,手軽で安価な体重コントロール方法と考えられます。



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イチゴによる動脈硬化関連指標改善作用 [2010年08月30日(月)]
栄養学の専門ジャーナルに,イチゴがメタボリック症候群患者において動脈硬化関連指標を改善するという臨床研究が,米国のグループ(Oklahoma State University)から報告されていました。
(Nutr Res. 2010 Jul;30(7):462-469.)



各種のベリー類には,ファイトケミカルが含まれており,抗酸化作用を介した機能性が示されています。

(ブルーベリー/ビルベリーのアントシアニン類がよく知られています。)



今回の研究では,イチゴ投与時におけるメタボリック症候群での脂質代謝や糖代謝への働きが検証されました。


具体的には,メタボリック症候群患者27名(男性2名,女性25名,BMI 37.5±2.15,平均年齢47.0歳)を対象に,1日あたりフリーズドライストロベリー飲料4カップ(凍結乾燥イチゴ50グラムが新鮮なイチゴ3カップ相当)あるいは水(対照)のいずれかが8週間投与され,各指標が測定されています。



8週間のイチゴ投与の結果,
総コレステロールおよびLDLコレステロール値が有意に低下(5.8±0.2 to 5.2 ± 0.2 mmol/L,3.5 ± 0.2 to 3.1 ± 0.1 mmol/L, P < .05)し,
small dense LDL値も,対照群に比べて有意な低下(794.6 ± 94.0 to 681.8 ±86.0 nmol/L, P < .05)が認められました。


また,血管内皮接着分子のVCAM-1(vascular cell adhesion molecule-1)の低下も示されています(272.7 ± 17.4 to 223.0 ± 14.0 ng/mL, P < .05)。



一方,血糖,中性脂肪,HDL,血圧,ウエスト周囲径には変化は認められていません。



以上のデータから,イチゴ投与による動脈硬化関連指標の改善作用が示唆されます。


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エキナセアによるP450の誘導とHIV治療薬 [2010年08月29日(日)]
今月の薬理学の専門ジャーナルに,エキナセアによるチトクロームP450活性への作用,HIVプロテアーゼ阻害剤の濃度に関する臨床研究が,米国NIHのグループから報告されていました。
(Pharmacotherapy. 2010 Aug;30(8):797-805.)



エキナセア(学名Echinacea purpurea)は,免疫調節作用を有する北米原産ハーブで,風邪やインフルエンザの予防・症状軽減を目的として利用されています。


一方,薬剤代謝酵素であるチトクロームP450活性への影響から,エキナセアと医薬品との相互作用に対する研究が注目されています。


今回の研究では,HIV治療薬(HIVプロテアーゼ阻害剤)のロピナビル/リトナビル(Lopinavir/Ritonavir)に対するエキナセアの影響が検証されています。


具体的には,健康なボランティア13名(男性8名,女性5名)を対象に,1日あたりロピナビル(800mg)/リトナビル(200mg)(分2)を29.5日間投与し,
16日目に,1日あたり1500mgのエキナセア(分3)を28日間投与されました。

(つまり,14日間はロピナビル/リトナビルとエキナセアの併用,その後の14日間はエキナセア単独の投与です。)



(オープンラベル試験。P450 3Aの指標薬剤として8mgのmidazolam,P糖タンパク質の指標薬剤として120mgのfexofenadineがそれぞれ単回投与で,エキナセア28日間の投与前後で用いられています。)



血清が解析された結果,エキナセア投与によって,ロピナビル/リトナビルのAUCや血中濃度などに有意な変化は見出されていません。



このとき,midazolamのAUCは有意に低下(0.73 (90% CI 0.61-0.85, p=0.008))し,クリアランスは有意に増加(1.37 (90% CI 1.10-1.63, p=0.02))しています。


一方,fexofenadineの動態には変化は認められませんでした。



以上のデータから,エキナセアはCYP3A活性を亢進するものの,ロピナビル値に変化を生じることはなく,その理由として,リトナビルによるCYP3A阻害が考察されています。



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アントロポゾフィー医学の利用率 [2010年08月28日(土)]
今月の小児血液腫瘍学の専門ジャーナル(電子版)に,ドイツにおけるアントロポゾフィー医学の利用状況調査が報告されていました。
(Pediatr Blood Cancer. 2010 Aug 25.)




アントロポゾフィー医学(Anthroposophic medicine)は,シュタイナーによるアントロポゾフィー(人智学)に基づいた全人的医療のひとつです。


ドイツでは広く認知されており,一般に,CAM(補完代替医療)として分類されています。




今回の研究では,ドイツの小児腫瘍学分野におけるCAM利用状況を調べる目的で,両親を対象に調査が行われています。



その結果,CAM利用者367名のうち,98名(27%)の患者が,アントロポゾフィー医学(AM)による治療を受けていたということです。



治療期間は619日(中央値)であり,他のCAMの225日と比べて長い期間にわたっています。



AMの経験を有する両親の多くが,(自身の)子供の腫瘍に対してAMを利用していることも見いだされました。


また,AM利用者は,社会的地位が高いというデータも示されています。



さらに,AM施術においては他のCAMに比べて,医師の果たす役割が有意に大きいことが示されました。
(情報の入手; (24% vs. 11%; P < 0.001,施術; 73.0% vs. 34.9%; P < 0.001)


その他,AMの利用者は,他のCAM利用者に比べて,CAM利用について主治医とより高頻度にコミュニケーションをとっており(89.8% vs. 63.9%),CAM利用を勧める率も高い(95.9% vs. 87%)ことが示されています。




以上のデータから,ドイツの小児腫瘍学の臨床では,アントロポゾフィー医学が主なCAMとして用いられていることが示唆されます。




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がん予防とクルクミン [2010年08月27日(金)]
今月の薬理学の専門ジャーナル(電子版)に,クルクミンのがん予防効果に関するレビューが報告されていました。
(Arch Pharm (Weinheim). 2010 Aug 19.)



クルクミンは,ウコンに含まれるファイトケミカルの1種です。


抗がん作用や抗炎症作用が知られており,これまでに多くの基礎研究によって,細胞内情報伝達に関与する分子への作用機序が示されています。



具体的には,NF-κBやAP-1といった転写因子,Cox-2やMMPsなどの酵素,細胞周期に関与するcyclin D1,細胞増殖に関与するEGFRやAktなどに作用し,発現を調節する作用が見出されています。


クルクミンについては,第1相から第3相までの臨床試験もすでに進められています。

(第2相,第3相に関しては,すい臓がんや大腸がん,多発性骨髄腫などが対象です。)



機能性食品素材の中でも,クルクミンは,基礎研究から臨床試験にいたるまでのデータがもっとも豊富に揃っています。



なお,クルクミンは,バイオアベイラビリティが高くないため,疾患の治療を目的とした臨床試験での用量は数千ミリグラムになります。




DHCではDHC FOR MEDICシリーズにて,医療機関向けのクルクミン製剤を取り扱っています。
(バイオアベイラビリティを高めた製品です。)



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クルクミンによるNF-κB抑制作用 [2010年08月26日(木)]
今月の消化器病学の専門ジャーナルに,ピロリ菌感染モデルでのクルクミンによるNF-κB抑制作用を示した基礎研究が報告されていました。
(World J Gastroenterol. 2010 Aug 28;16(32):4039-46.)



クルクミンは,ウコン(学名Curcuma longa)に含まれるファイトケミカルの1種で,抗炎症作用や抗がん作用が知られています。


生活習慣病対策の機能性食品素材として,サプリメントの成分にも広く利用されています。


さて,今回の研究では,ヘリコバクターピロリ菌感染モデルラットにおけるクルクミンのNF-κBへの作用が検証されました。



具体的には,ピロリ菌感染モデルラット(n=25)を次の5群にわけて,NF-κB(p65)発現への影響が測定されています。


・対照群

・600mg/kg体重のクルクミン投与群

・ピロリ菌感染群

・ピロリ菌感染+200mg/kg体重のクルクミン投与群

・ピロリ菌感染+600mg/kg体重のクルクミン投与群


(ピロリ菌感染2週間後にクルクミンを7日間投与。)



胃粘膜が採取され,NF-κB(p65)発現が検証された結果,

まず,対照群に比べて,ピロリ菌感染群では,NF-κB発現の有意な亢進が見いだされました。

(10.72±2.10% vs. 16.02±2.98%, P = 0.004,)


一方,クルクミン投与群では,ピロリ菌感染群に比べてNF-κB発言が有意に低下したということです。

(2種類の用量で各々:11.79±2.13% (P = 0.017),11.42±1.68% (P = 0.010))




以上のデータから,ピロリ菌感染によって生じる炎症は,クルクミン投与によって,NF-κBシグナルの抑制を介して抑制されることが示唆されます。




今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。



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肥満に対するオメガ3系脂肪酸の効果 [2010年08月25日(水)]
動脈硬化研究の専門ジャーナル(電子版)に,肥満者におけるオメガ3系脂肪酸の効果を検証した臨床研究が,スウェーデンのグループ(University of Gothenburg)から報告されていました。
(Atherosclerosis. 2010 Jul 21.)


一般に,正常体重者に比べて肥満者では,オメガ3系脂肪酸(EPAやDHAなど)の摂取量が少なく,肥満の病態に関与する慢性炎症の持続,血管内皮機能異常も指摘されています。


(肥満に関与するのは慢性炎症という病態です。動脈硬化も慢性炎症が要因であることが知られています。外傷などによって生じる急性炎症とは異なる病態です。)


そこで,今回の研究では,肥満者にオメガ3系脂肪酸をサプリメントとして投与し,血管内皮機能や炎症といった病態が改善するかどうか,検証されました。


具体的には,肥満者25名(男性11名,女性14名,平均年齢15.7歳,BMI 33.8)を対象に,1日あたり1.2グラムのオメガ3系脂肪酸あるいは偽薬が3ヶ月間投与されています。

(ランダム化二重盲検クロスオーバー法。6週間のwash-out)



オメガ3系脂肪酸投与の結果,

血中オメガ3系脂肪酸値の上昇,

偽薬群に比べて,反応性充血の有意な改善(p<0.01),

が認められたということです。


また,オメガ3系投与によって,リンパ球や単球,TNF-α,IL-6,IL-1β値の低下も示されています。


一方,総コレステロール,中性脂肪,HDL,血圧,体組成等では有意差は見出されていません。


以上のデータから,オメガ3系必須脂肪酸サプリメントの投与は,肥満者における血管機能の改善および炎症反応の抑制に有用であると考えられます。



オメガ3系脂肪酸は,青魚などに豊富に含まれます。

毎日確実に摂取するために,サプリメントの利用も可能です。



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食物繊維と2型糖尿病 [2010年08月24日(火)]
今月の内分泌学の専門ジャーナルに,高食物繊維食による2型糖尿病への効果を示した研究が,米国のグループ(Case Western Reserve University)から報告されていました。
(Endocr Pract. 2010 Aug 16:1-27)



一般に,(未精製の)全粒穀類や食物繊維の摂取は,2型糖尿病における血糖コントロールに好ましい影響を示します。


今回の研究では,2型糖尿病を対象にしたランダム化比較試験(RCT)にて,食物繊維の摂取量の影響が検証されています。


具体的には,1999年から2009年までのRCTが検索され,14報が検出されました。


解析の結果,

水溶性あるいは難溶性の食物繊維の添加,

全粒穀類や野菜の豊富な食事,

ビーガン(ヴィーガン)食,

は,糖代謝を改善し,
インスリン感受性を改善する作用が見出されています。


血中脂質,体重,HbA1cに関して,最も改善が見られたのは,低脂肪で植物性食品をベースにした食事であったということです。


今回のレビューデータから,
全粒穀類・野菜・食物繊維の摂取が,糖尿病における糖代謝の改善に有用であると考えられます。





昨日も今日も,‘そんなのは当たり前では?’といわれてしまうような結論ですが,近年はどんな機能性食品でも「エビデンスは?」という方向になってしまいます。


また,ネガティブなデータのほうが,メディアで大きく取り上げられる傾向があります。


(これまでの例ですと,‘食物繊維を摂っても大腸がんが予防できない’‘緑茶をとっても胃がんのリスクは減らない’といった研究データです。)


一昔前に確立された検証方法であるメタ分析や大規模臨床試験の重要性も否定はしませんが,平均値的な思考からはそろそろ卒業して,個人の多様性・個別化医療・新規バイオマーカーといった視点からのエビデンス構築が進むことを期待したいと思います。


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野菜・果物の摂取と2型糖尿病 [2010年08月23日(月)]
今月の英国医学ジャーナル(8月18日号)に,野菜・果物の摂取と2型糖尿病との関連を検証した研究が,英国のグループ(University of Leicester)から報告されていました。
(BMJ. 2010 Aug 18;341:c4229.)



今回の研究は,2型糖尿病の罹患率に対する野菜・果物の摂取の影響を検証することです。


主なデータベース(Medline, Embase, CINAHL, British Nursing Index (BNI), the Cochrane library)から関連する論文が選択され,6報が対象となり解析されました。


6報のうち4報では,緑葉野菜の摂取量についてのデータも示されており,メタ分析の結果,緑葉野菜の摂取は,2型糖尿病のリスクを14%低下させる効果が示されています。
(hazard ratio 0.86, 95% CI;0.77 to 0.97) (P=0.01)



一方,野菜,果物,両方の摂取という因子との解析では有意差は見出されていません。



以上のデータから,緑葉野菜の摂取は,2型糖尿病の予防効果があることが示唆されます。


(果物は果糖の過剰摂取になるため,2型糖尿病との関連では,リスク低減は検出されないと推察されます。‘果物がからだにいい’といっても,摂りすぎには注意が必要です。また,野菜全般では,作用が緩徐であるので,検出力が十分ではないために有意差が認められないと思われます。)



野菜など植物性食品は,食事からの摂取が基本であるのはいうまでもありません。


ただ,平均的な日本人で野菜の摂取が不足している以上,サプリメント・健康食品も補完的に利用することが現実的な選択と考えられます。


緑葉野菜に近いイメージの健康食品としては,

パーフェクト野菜



DHC青汁+豆乳

ケール青汁+食物繊維


DHC青汁パウダー

などが考えられます。




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マカによる性機能改善作用・レビュー [2010年08月22日(日)]
今月の補完代替医療の専門ジャーナルに,マカによる性機能改善作用のレビューが,イギリスのグループから報告されていました。
(BMC Complement Altern Med. 2010 Aug 6;10(1):44.)



マカMaca (学名Lepidium meyenii)は,南米産の生薬の1種です。

現地の伝統医療において,滋養強壮のために用いられてきました。


基礎研究や予備的なヒト臨床研究では,勃起障害に対する効果が示唆されており,男性向けの機能性食品素材・サプリメントの成分としても知られています。


今回の研究では,マカによる性機能不全症に対する臨床的な有効性が検証されました。


各種のデータベースに2010年4月までに収載された論文が検索された結果,ランダム化比較試験4報がレビューの対象として抽出されました。

(被験者は健常者,あるいは勃起障害などの性機能不全症患者。いずれかの種類のマカと偽薬との比較試験を対象。)


解析の結果,健康な閉経期の女性あるいは健康な男性を対象にしたランダム化比較試験2報において,マカによる性機能障害あるいは性欲の有意な改善作用が示されていました。


また,勃起障害(ED)患者を対象にしたランダム化比較試験では,国際勃起スコア5(IIEF 5)とした評価が行われ,マカ投与による有意な改善作用が認められました。


一方,健康なアスリート(自転車競技)を対象にした試験では有意な作用は見出されていません。



以上のデータから,マカによる性機能不全症改善・勃起障害改善・性欲改善作用が示唆されます。



ただし,これらはいずれも被験者が比較的少なく予備的な臨床研究であるため,今後質の高い研究によるエビデンスの構築が期待されます。



DHCでは,マカトンカットアリを製品化しています。



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αリポ酸による口腔灼熱症候群(舌痛症)の改善作用 [2010年08月21日(土)]
今月の口腔学の専門ジャーナル(電子版)に,αリポ酸とガバペンチン(抗痙攣剤の1種,Gabapentin)の併用による口腔灼熱症候群(舌痛症)への作用を検討したヒト臨床研究が報告されていました。
(Med Oral Patol Oral Cir Bucal. 2010 Aug 15.)



口腔灼熱症候群(Burning Mouth Syndrome;BMS,舌痛症)は,(臨床的に確認できる外傷などはなく),口全体,舌,口蓋あるいは口腔粘膜などに痛みを伴う灼熱感が生じる疾患です。



今回の研究では,口腔灼熱症候群に対するαリポ酸とガバペンチンの作用が検証されました。


具体的には,患者120名を対象に,

(1)1日あたり600mgのαリポ酸を2ヶ月間投与した群(n = 20)

(2)1日あたり300mgのガバペンチンを2ヶ月間投与した群(n=20)

(3)αリポ酸とガバペンチンの2ヶ月間併用投与群(n = 20)

(4)偽薬投与群(n = 60)

の4群に分けて比較検討されています。


120名全員の被験者が試験を完了しました。


解析の結果,治療に対する反応がもっと高かったのは2剤併用投与群であり,被験者の70%が症状の改善を示したということです。


これは,偽薬群に比べて,13.2倍に相当します。



今回のデータから,侵害受容性感覚・痛覚の異なるレベルに作用する2剤の併用投与の,口腔灼熱症候群に対する有用性が示唆されます。




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チョコレートが心不全を予防 [2010年08月20日(金)]
今月の循環器学の専門ジャーナル(電子版)に,チョコレートの適度な摂取による心不全の予防効果を示した研究が,米国のグループ(Harvard Medical School)から報告されていました。
(Circ Heart Fail. 2010 Aug 16)



ダークチョコレートに含まれるカカオポリフェノールには抗酸化作用があり,動脈硬化性疾患を抑制することが知られています。


ランダム化比較試験では,高血圧改善作用が示されており,疫学研究では,チョコレート摂取と心血管疾患リスク低下の相関が見出されています。



今回の研究では,チョコレートの摂取と,心不全のリスクとの関係が検証されました。


具体的には,48歳から83歳までの女性31,823名を対象に,健康調査と食事調査を行い,1998年1月から2006年12月末までの9年間にわたり,心不全による入院や死亡が調べられています。


(被験者には,糖尿病,心不全,心筋梗塞の既往はありません。
Swedish Mammography Cohortというスウェーデンでの調査に基づく研究です。)


フォローアップ中,379名が心不全で入院,40名が心不全で死亡と記録されています(合計419名が心不全発症)。


心不全罹患率について,交絡因子で補正後の解析では,チョコレート非摂取群に比べて,

--1ヶ月あたり1-3サービングのチョコレートを摂取する群では,26%の有意なリスク低下(0.74 ;95%CI 0.58-0.95),

--1週間あたり1-2サービングのチョコレート摂取群では,32%の有意なリスク低下(0.68 ;95%CI 0.50-0.93)

が認められています。


一方,1週間に3-6サービングのチョコレート摂取群(1.09 (95%CI .74-1.62)),および,1日あたり1サービング以上摂取する群では,有意差なし(1.23 (95%CI 0.73-2.08))ということです。(p for quadratic trend = 0.0005)



以上のデータから,論文著者らは,適度な量のチョコレートの習慣的摂取は,心不全のリスク(入院や死亡)を低下させる,と考察しています。





なお,今回のデータでは,毎日摂ることによる効果は見出されていません。


これは,食事調査に基づく疫学研究の限界のため,検出力が十分ではなかったことが想定されます。

つまり,ダークチョコレートなど詳しい種類の検証がないために,いわゆるチョコレート製品をたくさん摂った場合,チョコレートポリフェノールの好ましい効果に比べて,糖類など他の好ましくない影響が大きく出てしまうことが考えられます。

(交絡因子の補正には限界があり,緩徐な食事因子の作用発現や効果の個人差の影響があります。)




これまでの研究では,カカオポリフェノールの摂りすぎによる副作用などは知られていませんし,チョコレート/カカオポリフェノールを毎日投与したランダム化比較試験では血圧低下作用が示されています。


したがって,カカオポリフェノール含有量の多いダークチョコレートであれば,一定の健康保持効果が期待できます。

(ホワイトチョコレートにはカカオポリフェノールは含まれていません。)


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男性はEPA,女性はDHAを [2010年08月19日(木)]
今月の循環器学の専門ジャーナル(電子版)に,オメガ3系脂肪酸の抗血小板作用について,効果の性差/男女差を調べた臨床研究が,オーストラリアのグループから報告されていました。
(Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2010 Aug 11.)




血小板凝集は,血栓症塞栓症を生じ,虚血性心疾患や脳血管疾患のリスクとなります。


多価不飽和脂肪酸であるオメガ3系必須脂肪酸(EPAやDHAなど)は,血小板凝集を抑制し,これらの疾患を予防する作用が知られています。


今回の研究では,EPAおよびDHAによる血小板凝集抑制作用に関して,男女差が検証されました。
(性差医療の研究になります。)



具体的には,盲検化偽薬対照試験として,男性15名,女性15名を対象に,EPA,DHA,あるいは偽薬のカプセルが単回投与され,投与前,2時間後,5時間後,14時間後において,血小板活性が測定されています。


解析の結果,EPAによる血小板凝集抑制効果は,男性において顕著な効果が示されました(2時間後;-11%,5時間後;-10.6%,24時間後;-20.5%)。

このとき,DHAに関しては,偽薬との有意差は示されていません。



これに対して,女性では,DHA投与によって血小板凝集が有意に抑制(24時間後;-13.7%)された一方,EPA投与では有意差は認められませんでした。



このとき,EPA投与後の血小板凝集と,テストステロン値との間に負の相関が認められたということです。



以上のデータから,オメガ3系脂肪酸による血小板凝集抑制作用には性差が存在することが示唆されます。



(性ホルモンの違いによって,男性ではEPA摂取時,女性ではDHA摂取時に顕著な効果が示されています。)




今回の試験は単回投与による予備的な研究ですので,今後,長期投与や別のアウトカム設定による検証が期待される分野です。




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カルシウムの抗肥満作用@閉経後女性 [2010年08月18日(水)]
栄養代謝学の専門ジャーナルに,閉経後の女性におけるカルシウムサプリメントの体重と体組成への影響を調べた臨床研究が,米国のグループから報告されていました。
(Nutr Metab (Lond). 2010 Jul 23;7:62.)



これまでの研究によって,カルシウムの摂取による肥満抑制作用が示唆されています。


今回の研究では,閉経後の女性を対象に,カルシウムサプリメントの肥満および体組成関連指標への影響が検証されました。


具体的には,閉経後の女性1,179名を対象に,

(1)1日あたり1400mgあるいは1500mgのカルシウム単独投与群(ビタミンD剤は偽薬)

(2)1日あたり1400mgあるいは1500mgのカルシウム+1100 IUのビタミンD3の併用投与群

(3)偽薬群

の3群にて比較が行われています。


(カルシウムとビタミンDの摂取による骨折予防の効果を調べたランダム化二重盲検偽薬対照試験のサブ解析です。)



870名の被験者が解析の対象となり,主アウトカムとしてBMIや体幹の脂肪,除脂肪体重,体組成が測定された結果,

体幹の脂肪・除脂肪体重・体脂肪率は,カルシウム投与群(単独投与あるいは併用投与)と,偽薬投与群との間に有意差が認められたということです(P < 0.05)。



偽薬群に比べて,カルシウム投与群では,体脂肪増加が抑制され,除脂肪体重が維持されています。


なお,BMIについては,有意差は認められていません。



以上のデータから,閉経後の女性におけるカルシウムの(十分な)摂取は,体組成の維持・改善に有用であることが示唆されます。





平均的な日本人の食生活では,カルシウム不足が指摘され続けています。



栄養指導や公共放送の啓発番組では,相変わらず,「カルシウムの多い○○の食材を摂りましょう」,(今の時期ですと)「夏ばて予防にはビタミンBの多い○○をとりましょう」といった内容が流されています。



しかし,特定の栄養素が潜在的に不足しているという厚労省の調査データが何十年間も示されており,かつ,改善もされていないという現実があるのに,ちょっと無責任な啓発の内容と感じます。

(栄養障害のリスクを放置して病気になれば,病院にいくことになり,医療機関にとってはある意味でメリットになります。しかし,予防医学の推進や医療費抑制という点からはマイナスです。)


食材や食習慣,嗜好が変化した現在,食育を重視しつつ,サプリメントも併用して疾病のリスクを減らすといった,現実的で確実な選択肢があります。



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クランベリー果汁はワルファリン作用に影響しない [2010年08月17日(火)]
臨床薬理学の専門ジャーナルに,ワルファリン服用患者における高用量のクランベリー果汁摂取の影響を調べた臨床研究が,米国のグループから報告されていました。
(Br J Clin Pharmacol. 2010 Jul;70(1):139-42.)



クランベリー果汁は,女性の尿路感染症再発予防を目的として広く利用されているサプリメント成分です。




クランベリー果汁の有効性は臨床試験で示されており,また,安全性の高い食品成分です。


一方,基礎研究では,チトクロームP450の分子種のうち,CYP2C9に対する阻害作用が示唆されていることから,理論的には医薬品との相互作用も想定されます。



そこで,今回の研究では,ワルファリン服用時におけるクランベリー果汁の摂取の影響が検証されました。


具体的には,ワルファリン服用中の患者10名を対象に,クランベリー果汁を1日あたり480ml(分2)の用量で7日間の投与試験が行われています。


相互作用に関する臨床指標として,果汁の投与前,2日目,6日目,8日目の時点で,プロトロンビン時間が測定された結果,投与前と果汁投与中との比較で有意な差は認められなかったということです。



以上のデータから,ワルファリン服用時におけるクランベリー果汁の併用摂取による相互作用の発生/出血傾向などの有害事象のリスクは否定的と考えられます。




これまでに,クランベリージュースとワルファリンの相互作用を示唆する症例報告があるために,サプリメントに関する解説書には注意書きがあります。


今回の研究は,実際にワルファリン服用中の患者を対象に,臨床的な指標を調べた点で,意義があると思います。



(なお,今回とは別のランダム化二重盲検偽薬対照試験でも,クランベリー果汁250mLとワルファリンの相互作用が検証され,有意な相互作用は認められていません。)



ただし,ワルファリン服用には,食生活を極端に変更しないように(摂取する食材の急な増減を行わないように),注意が必要です。


(サプリメントの服用については,主治医と相談しながら,関連指標をモニタリングして,という判断が一般的です。)



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イギリスにおけるCAM利用状況調査 [2010年08月16日(月)]
今月の臨床医学系の専門ジャーナル(電子版)に,イギリスにおけるCAM(補完代替医療)の利用状況を調べた研究が,エクセター大学のグループから報告されていました。
(Int J Clin Pract. 2010 Aug 4.)



今回の研究では,2005年に実施された健康調査のデータを用いて,CAM(complementary and alternative medicine補完代替医療)の利用状況が解析されています。


具体的には,回答者7630名を対象に,生涯および過去12ヵ月におけるCAM利用が調べられました。


その結果,CAMの利用率は,生涯では44.0%,過去12ヵ月では26.3%という結果でした。


広く利用されていたCAMは,

マッサージ,

アロマセラピー,



の3つです。



また,処方箋医薬品を服用している回答者のうち,29%の人は,過去12ヵ月に何らかのCAMを利用していました。


CAMの利用と有意に相関していた項目は,

--女性(OR 0.491, 95% CI: 0.419, 0.577)

--大学教育(OR 1.296, 95% CI: 1.088, 1.544)

--不安・うつに罹患している(OR 1.341, 95% CI: 1.074, 1.674)

--メンタルヘルス面での問題(OR 1.062, 95% CI 1.026, 1.100)

--野菜や果物を5サービングサイズ以上摂取している(OR 1.327, 95% CI: 1.124, 1.567)

となっています。



(平均以上の教育水準を持つ女性で,健康に気をつけた食生活を送っている一方,メンタルヘルスでの不安も抱えている,という人たちがよく利用しているという印象です。)




以上のデータから,論文著者らは,英国においてCAM利用は顕著であり,医薬品による治療を受けている患者でも一定の割合で用いられており,CAM研究が重要であると考察しています。


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レスベラトロールによる脳循環改善 [2010年08月15日(日)]
臨床栄養学の専門ジャーナルに,レスベラトロールによる脳血液循環改善作用を示した臨床研究が,イギリスのグループ(Northumbria University)から報告されていました。
(Am J Clin Nutr. 2010;91:1590-7.)


レスベラトロールは,ブドウ由来のポリフェノールで,健康長寿やアンチエイジング作用に関して注目されている機能性食品成分です。


抗酸化作用,NO産生調節作用,血管拡張作用など血液循環改善を示唆する働きも示されており,脳循環改善を介した認知機能への作用が想定されます。


そこで,今回の研究では,ヒトを対象に,レスベラトロールを経口投与した際の脳血液循環および認知機能への影響が調べられました。


具体的には,健常者22名を対象に,トランス-レスベラトロール(250mgもしくは500mgの用量),あるいは偽薬が投与され,45分間の安静吸収期間を経た後に,認知機能検査および脳血流測定が行われています。

(ランダム化二重盲検偽薬対照クロスオーバー法)


(なお,血漿中におけるレスベラトロールの存在は,HPLCにて確認されています。)


レスベラトロール投与の結果,認知機能検査中の脳血流増加が用量依存的に認められました(全ヘモグロビン量を指標)。


また,レスベラトロール投与後に,デオキシヘモグロビンが増加したことから,酸素摂取率の亢進が示唆されます。


ただし,認知機能検査では有意差は示されていません。



以上のデータから,レスベラトロールの単回経口投与によって,脳血流改善効果が示唆されます。





さすがに今回の単回投与では,認知機能の変化は検出されていませんが,認知機能負荷テスト時において血流の変化が見出されたことは興味深いと思います。

今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。



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オリーブポリフェノールの脂質酸化抑制効果 [2010年08月14日(土)]
今月の食物化学の専門ジャーナル(電子版)に,オリーブ由来ポリフェノールによる抗酸化作用・脂質酸化抑制作用を示した基礎研究が,イタリアのグループから報告されていました。
(Food Chem Toxicol. 2010 Aug 4.)



オリーブオイルは,単価不飽和脂肪酸に分類され,地中海食で頻用されます。


地中海食は,心臓病などの動脈硬化性疾患のリスクを低減することから,その一因としてオリーブオイルによる効果が推定されています。


最近の研究では,単にオリーブオイルであればいいというのではなく,オリーブオイルに含まれるポリフェノール/ファイとケミカルの機能性が注目されています。


エクストラバージンオリーブオイルに含まれるポリフェノールは,消化吸収の過程で分解され,チロソールやヒドロキシチロソールとして作用します。



今回の研究では,腸管粘膜におけるチロソールとヒドロキシチロソールの抗酸化作用が検証されています。


具体的には,培養細胞系(Caco-2)を用いて,オリーブ由来ポリフェノールの脂質酸化抑制作用が測定されました。

(ブチルヒドロペルオキシド処理によりMDAを増加させる実験系です。αトコフェロール/ビタミンEの減少に関する影響も調べられています。)



解析の結果,チロソールあるいはヒドロキシチロソールで前処理した場合,有意な酸化障害は検出されず,αトコフェロール値も維持されたということです。

(つまり,チロソールやヒドロキシチロソールによる抗酸化作用によって,酸化ストレス障害が抑制され,抗酸化物質であるαトコフェロールの消費も抑えられた,ということが示唆されます。)


その他,スカベンジャー作用による脂質酸化の抑制も示されました。



精製されたオリーブオイルやバージンオリーブオイルよりも,エクストラバージンオリーブオイルのほうが,オリーブ由来のポリフェノール(チロソール,ヒドロキシチロソールなど)を多く含むことから,健康保持や疾病予防効果が考えられます。


(ランダム化比較試験でも,精製オリーブオイルよりも,エクストラバージンオリーブオイルのほうが好ましいことが示されています。)


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共役リノール酸とカルシウムの作用 [2010年08月13日(金)]
今月の骨代謝研究の専門ジャーナル(電子版)に,骨代謝に関する共役リノール酸とカルシウムの相互作用を示した基礎研究が,米国のグループ(University of Massachusetts)から報告されていました。
(J Bone Miner Metab. 2010 Aug 10.)




共役リノール酸(CLA,異性化リノール酸)は,体重減少効果を有する機能性食品成分としてサプリメントに利用されています。


近年,複数の臨床試験によって,共役リノール酸(CLA)摂取による体重減少・ダイエット効果が示されてきました。


CLAは,抗肥満作用の他,抗がん作用や動脈硬化抑制作用,免疫調節作用,抗糖尿病作用などさまざまな働きが知られています。


しかし,CLAによる骨密度や全骨灰分量への作用については,一致したデータが得られていませんでした。



そこで,今回の研究では,CLAによる骨代謝への作用に関して,摂取カルシウム量の影響を考慮した検証が行われています。



具体的には,マウスを用いて,異なるカルシウム量(0.01, 0.5, 1%の3種類)を投与し,さらに0.5%のCLAの併用群と非併用群の2群に分けた4週間の介入試験が実施されました(実験1)。


また,0.22%のCLA異性体と1%のカルシウムの併用投与による介入試験も行われています(実験2)。


まず,実験1では,CLAの投与は,カルシウムの摂取量には関わりなく,体脂肪を減少させました。


一方,全骨灰分量に関しては,1%カルシウムとの併用投与群においてのみ,対照群に比べて有意な増加が認められたということです。


次に実験2では,(trans-10, cis-12 CLA)異性体ではカルシウムとの併用投与による骨代謝への影響が見出されていますが,(cis-9, trans-11)異性体では示されていません。





以上のデータから,一定量のカルシウムとCLAとの併用投与は,骨代謝を改善すると示唆されます。




食事制限を伴うダイエットでは,微量必須栄養素が不足しないように注意が必要です。


(特に,自己流の無理なダイエットでは,少食の結果,ビタミンやミネラルの不足が懸念されます。特に,骨の健康維持に配慮が必要です。)


減量では,サプリメントあくまで補完的な位置づけですが,CLAの利用が抗肥満効果だけではなく,カルシウムと共同で骨代謝を改善するというのであれば,ダイエットでの有用性が考えられます。


今後,臨床的意義の検証が期待される分野です。


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外科治療患者に必要なビタミンC [2010年08月12日(木)]
今月の臨床代謝栄養学の専門ジャーナル(電子版)に,外科治療患者におけるビタミンCの状態および至適用量に関するレビューが,帝京大学のグループから報告されていました。
(Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2010 Aug 4.)


レビューによると,

血中ビタミンC値は,外科治療後に低下すること,

外科ICU患者ではさらに低下すること,

このビタミンCの低下は,酸化ストレスの増大によってビタミンCの需要が増加したためであること,

といった結果が得られています。



したがって,血中ビタミンC値を正常化するには,RDA(推奨量)よりも高用量の摂取が必要と考えられます。


具体的には,合併症を有しない患者では1日あたり500mgのビタミンCが必要とされ,
ICUにて治療を受けている患者ではさらに多くの量が必要と推定されます。


合併症を有しない消化器外科治療では,非経口(点滴)投与による500mg/日の投与により,酸化ストレスの指標である尿中イソプラスタン排泄が減少するということです。


また,心臓手術後の心房細動が,術前後のビタミンC投与によって予防できたという臨床研究も知られています。


重篤な患者を対象にした前向き研究(ランダム化比較試験)では,高用量のビタミンC,E,ミネラル投与の有用性が示されています。



論文では,ビタミンCの需要は,酸化ストレス亢進などの理由で,外科的処置を受ける患者で増大するため,血中および組織中のビタミンC濃度を上げるためにビタミンC摂取の有用性が示唆されると考察しています。



ビタミンCサプリメントは,年齢や性別に関係なく推奨できる,ベーシックなサプリメント成分です。


ただし,働きが緩徐であるために,病気の一次予防効果を検証した研究では有意差が検出されにくいという傾向があります。



一方,ビタミンCを体内で生合成できる動物では,病気になったときに体内での合成量が急増することがしられています。


(ヒトは,ビタミンCを体内で合成できないので,摂取する必要のある必須栄養素であり,酸化ストレスが増大するような急性疾患の病態では,積極的に摂取するべきと考えます。)



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