今月の骨代謝研究の専門ジャーナル(電子版)に、閉経後の女性における骨喪失に対して、1日あたり1,000 IUのビタミンD3投与のほうが、400 IUよりも有用であるとする臨床研究が、英国のグループ(University of Aberdeen)から報告されていました。
(
J Bone Miner Res. 2013 Apr 13.)
ビタミンD3は、紫外線によって皮膚で合成されるため、季節的な変動による影響を除くために、長期にわたる投与試験での検証が必要です。
そこで、今回の研究では、
閉経後の女性における骨密度の年間の変化に対して、
1日あたり400 IU、1,000 IUのビタミンD3サプリメント
あるいは偽薬の投与による影響が調べられました。
具体的には、
スコットランドの白人女性(60-70歳)305名を対象に、
1日あたり400 IUあるいは1,000 IUのビタミンD3サプリメント
もしくは偽薬のいずれかが割り当てられ、
2009年1月/2月から1年間の投与が行われています。
2か月毎の追跡が行われ、265名 (87%)が試験を完了しました。
評価指標として、
骨密度、25-(OH)D、1,25-(OH)D、1型コラーゲンN末ペプチド、C末ペプチドなどが測定されています。
解析の結果、
骨密度の低下は、
400IU投与群あるいは偽薬投与群に比べて、
(それぞれ0.57±1.33%、0.60±1.67%)
ビタミンD3の1,000IU投与群において、有意に抑制されました。
(0.05±1.46%)
投与前の血中ビタミンD3値(33.8±14.6 nmol/L)からの変化は、
偽薬群:-4.1±11.5 nmol/L、
400IU群:+31. 6±19.8 nmol/L、
1,000IU群:+42.6±18.9 nmol/L
でした。
副甲状腺ホルモンと血中カルシウムは、1,000IU投与群において軽度の低下を示しています。
ビタミンD投与は、その他の骨代謝マーカーには有意な影響を示しませんでした。
以上のデータから、
閉経後の女性における骨密度低下に対しては、
1日あたり1,000 IUのビタミンD3サプリメントの投与が有用であると考えられます。
DHCでは、
1日あたり25μg(=1,000IU)配合した
ビタミンD3サプリメントを製品化しています。
近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。
日本からの報告では、
ビタミンDサプリメントのインフルエンザ予防効果
が知られています。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000
IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)
今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。
たとえば、
日本人妊婦の90%がビタミンD不足、
血中ビタミンD値が高いと大腸腺腫リスクが低い
というデータがあります。
DHCでは、
ビタミンD3サプリメントを製品化しています。
ビタミンDサプリメントに対する効果には個人差がありますが、
臨床的には、ビタミンDサプリメントを1,000IU/日の用量で投与すると、血中25ヒドロキシビタミンD値が10ng/ml増加する、
という報告もあります。
マルチビタミンのビタミンDはRDAのための設定ですので、別途、ビタミンDサプリメントの利用となります。
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