骨代謝研究の専門ジャーナルに、日本人の妊婦において、ビタミンD欠乏が高率に認められたとする臨床研究が、藤田保健衛生大学のグループから報告されていました。
(
Bone Miner Metab. 2011 Sep;29(5):615-20)
妊婦において、ビタミンDが低値であると、子癇前症(妊娠高血圧腎症)や帝王切開、頭蓋癆のリスクが高まることが知られています。
さて、今回の研究では、日本人の妊婦におけるビタミンDの状態が調べられました。
具体的には、妊娠30週目以降の妊婦93名を対象に、血中ビタミンD値(25-OH-D値)が測定されています。
解析の結果、
ビタミンD値の平均は、
春;14.3 ± 5.1 ng/ml
夏;15.7 ± 6.4 ng/ml
秋;13.7 ± 5.1 ng/ml
冬;13.9 ± 4.2 ng/ml
でした。
93名のうち、10名が重度のビタミンD欠乏(25-OHD < 10 ng/ml)であることが見出されたということです。
また、ビタミンD欠乏(20 ng/ml未満を定義)には、89.5%にあたる85名が該当しています。
血中ビタミンD値は、甲状腺ホルモン値やカルシウム値とは相関していませんでした。
一方、血中I型コラーゲンテロペプチドや骨型アルカリフォスファターゼとは、負の相関が認められています。
さらに、未熟児出産のリスクの高い妊婦では、正常体重児出産の妊婦に比べて、ビタミンD値が有意に低値でした。
(11.2 ± 3.2 ng/ml vs. 15.6 ± 5.1 ng/ml)
以上のデータから、日本人の妊婦では、血中ビタミンD欠乏が高率に認められ、骨代謝異常や未熟児出産といった妊娠におけるリスクになっていることが示唆されます。
ビタミンDは、骨の健康維持や骨粗鬆症予防の必須栄養素として知られています。
近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000 IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)
今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。
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