がん研究の専門ジャーナルに、日本人では、冬期の血中ビタミンD値が高い人ほど、大腸腺腫のリスクが低いという研究が、九州大学のグループから報告されていました。
(
Cancer Sci. 2010 Jul;101(7):1695-700.)
血中ビタミンDの低値と、さまざまな生活習慣病のリスクが高まるという疫学研究が数多く報告されています。
ビタミンDでは、免疫調節作用や抗がん作用が知られています。
ただし、これらの研究は欧米が中心であり、日本人での知見の集積がさらに必要です。
(そのため、日本人もビタミンDサプリメントが必要であるという認識は、まだまだ広まっていません。)
さて、今回の研究では、日本人における血中ビタミンD値と、大腸腺腫リスクとの関連が検証されました。
(大腸腺腫は、大腸がんの前段階の状態です。)
具体的には、日本人男性の
大腸腺腫患者656例と、対照者648例との間で、
血中ビタミンD値が比較されています。
(1997年〜2004年に実施された調査データ)
解析の結果、
まず、全体のデータでは、血中ビタミンD値と、大腸腺腫リスクとの関連は見出されませんでした。
次に、冬期(11月〜4月)のビタミンD値との解析では、
4分位で最高位の群では、最低位の群に比べて、
大腸腺腫リスクが42%低下していたということです。
(OR = 0.58; 95% CI = 0.34-0.99)
この有意差は、直腸腺腫ではさらに顕著であり、78%のリスク低下、
また、
遠位結腸では、53%のリスク低下という相関が認められています。
以上のデータから、冬期のビタミンD値が高値であると、大腸腺腫リスクが低下することが示唆されます。
ビタミンDの体内での産生が低下する冬期では、ビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
日本人の間でも、ビタミンDの潜在的不足/欠乏が顕著になっています。
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