疫学研究の専門ジャーナルに、日本人における血中ビタミンD値の季節変動に関する疫学研究が報告されていました。
(
J Epidemiol. 2011 Sep 5;21(5):346-53. )
ビタミンDは、食事あるいはサプリメントに由来する分以外に、紫外線によって、皮膚で合成されます。
皮膚での合成量は、紫外線暴露量に関係するため、血中ビタミンDの季節性変動として検出できます。
(なお、紫外線による害のほうが、ビタミンDを産生するというメリットを上回るため、現在では、日光浴が勧められることはなく、サプリメントの活用が安価で確実な方法として推奨されています。
紫外線による害としては、皮膚の光老化(皺・シミなど)、目の白内障などが知られています。
さて、今回の研究では、日本人における血中ビタミンD値の季節性変動が調べられました。
具体的には、北九州のオフィスワーカー男性312名、女性217名(21歳〜67歳)を対象に、
7月および11月の血中ビタミンD(25-OH-D)が測定されています。
解析の結果、
血中ビタミンDの平均値は、
7月が27.4 ng/ml (68.4 nmol/L)
11月が21.4 ng/ml (53.4 nmol/L)
であり、両群間に有意差が認められた(P < 0.001)ということです。
ビタミンD欠乏(20 ng/ml未満として定義)の割合は、
それぞれ 9.3% と 46.7%でした(P < 0.001)。
ビタミンD不足になりやすい11月において、血中ビタミンDの高値と有意に相関していた項目は、
食事由来ビタミンDの摂取(男女とも)、
喫煙しないこと(男性)、
運動すること(男性)、
でした。
また、7月において相関していた項目は、
魚介類の摂取と、女性における血中ビタミンDの高値です。
以上のデータから、日本人においてもビタミンDの季節性変動は顕著であり、紫外線暴露の少ない季節にはビタミンD欠乏を示す人の割合が(オフィスワーカーでは)半数近くに認められる、ことが示唆されます。
ビタミンDは、骨の健康維持や骨粗鬆症予防の必須栄養素として知られています。
近年、ビタミンDの機能性として、免疫調節作用や抗がん作用、インフルエンザ予防作用なども見出されてきました。
また、さまざまな生活習慣病では、血中ビタミンD値が低いことが知られており、健康保持や疾病予防のために、ビタミンDサプリメントの摂取が推奨されます。
(欠乏症の予防ということでは通常の食事からでも補えますが、疾病予防という目的では、1日あたり1,000〜2,000 IUの摂取が必要であり、サプリメントを利用することになります。)
今日では、ビタミンD欠乏症の典型例のような疾患は少ない一方、血中ビタミンDの低値が広く認められることから、生活習慣病の予防やアンチエイジングを目的としたビタミンDサプリメントの利用が推奨されます。
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