今月のスポーツ医学の専門ジャーナル(電子版)に、カルニチン投与によるアスリートでの運動耐用能の亢進作用を示した臨床研究が、トルコのグループから報告されていました。
(
J Strength Cond Res. 2013 Nov 20)
カルニチンは、アミノ酸誘導体で、食肉(ラム肉)や乳製品に豊富に存在します。
カルニチン(L-カルニチン)は、脂肪の代謝に必要な機能性成分です。
(長鎖脂肪酸は、L-カルニチンと結合することでミトコンドリアに入ります。)
L-カルニチンに関する研究では、中性脂肪やVLDLコレステロールの低下作用、肝臓での脂肪蓄積の抑制、運動能向上作用、肥満での減量など、多彩な働きが示されています。
また、特定の病態において、治療と併用されることもあります。
例えば、腎疾患患者の血球減少症に対する効果、糖尿病患者での代謝の改善、慢性疲労症候群患者の症状改善、C型肝炎のインターフェロン療法の補助療法などが報告されています。
特に、腎不全によって慢性維持透析を受けている病態では、カルニチン欠乏による障害が知られており、L-カルニチンの摂取が推奨されます。
さて、今回の研究では、
アスリートにおけるカルニチンサプリメントの働きが検証されました。
具体的には、
プロサッカー選手候補(合計26名)を対象に、
二重盲検法にて、
まず、12名に対して、
運動負荷1時間前に、
果物ジュースとともに、
3グラムのL-カルニチンが投与され、
14名に4グラムのL-カルニチンが投与されました。
運動負荷(ランニング)が8 km/hにて開始され、
10km/hへと継続し、
さらに、3分ごとに1 km/hの割合でスピードを増やし、
被験者が自ら中止するまで行われています。
心電図モニタリング、血中乳酸値などが指標として測定されました。
1週間後、
偽薬群として、それぞれ2群に対して実施されました。
解析の結果、
ランニング速度に応じて血中乳酸値は増加し、
ランニング速度に応じた乳酸値と心拍数の増加は、
偽薬群に比べて、
L-カルニチン投与群において、
有意に抑制されたということです(p<0.05)。
心拍数は、
L-カルニチン4グラム投与群と、偽薬群との間で有意差が見出されました。
その他、
自覚的運動強度をBorg指数に評価した結果、
サプリメント投与の2群において、有意な低下が認められています(p<0.05)。
以上のデータから、
運動前のL-カルニチン投与による運動耐用能改善作用が示唆されます。
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