今月の臨床内分泌学の専門ジャーナルに、PCOS患者において、大豆イソフラボン投与による内分泌代謝指標への作用を検証した臨床研究が、イランのグループ(Arak University of Medical Sciences)から報告されていました。
(J Clin Endocrinol Metab. 2016 Aug 4:jc20161762)
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、卵巣内に卵子は十分に存在しますが、毎周期の排卵が認められず、不妊症の原因となります。
同時に、肥満、糖代謝異常や脂質異常なども生じます。
今回の研究では、
大豆イソフラボンによるPCOSでの内分泌代謝への作用が検証されました。
具体的には、
ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
PCOS患者70名(18-40歳)を対象に、
・1日あたり50mgの大豆イソフラボン投与群:35名、
あるいは
・偽薬投与群:35名
の2群について、12週間の介入が行われています。
内分泌代謝指標、炎症、酸化ストレス関連指標が介入の前後で検証されました。
解析の結果、
12週間の介入後の時点で、
偽薬群に比べて、
大豆イソフラボン投与群では、
血中インスリン値の有意な減少
(-1.2 ± 4.0 vs +2.8 ± 4.7 μ IU/mL; P < .001)
インスリン抵抗性(HOMA-IR)の有意な減少
(-0.3 ± 1.0 vs +0.6 ± 1.1; P < .001)
量的インスリン感受性チェック指標の増加
(+0.0009 ± 0.01 vs -0.01 ± 0.03; P = .01)
が認められたということです。
また、
偽薬群に比べて、
大豆イソフラボン投与群では、
遊離アンドロゲンインデックスの有意な減少(改善)
(-0.03 ± 0.04 vs +0.02 ± 0.03; P < .001)
血中のTG値の有意な減少
(-13.3 ± 62.2 vs +10.3 ± 24.5 mg/dL; P = .04)
も見出されています。
さらに、
偽薬群に比べて、
大豆イソフラボン投与群において、
血中総グルタチオン値の有意な増加
(+96.0 ± 102.2 vs +22.7 ± 157.8 μ mol/L; P = .04)
過酸化脂質の指標であるMDA値の有意な減少
(-0.7 ± 0.8 vs +0.8 ± 2.3 μ mol/L; P = .001)
が認められています。
その他の脂質や炎症、酸化関連指標では、両群間での有意差は示されませんでした。
以上のデータから、
PCOS患者において、
大豆イソフラボンの12週間投与により、インスリン抵抗性の抑制、脂質代謝の改善、酸化ストレスマーカーの改善といった有用性が示唆されます。
今後、補完療法としての臨床的意義の検証が期待できる分野です。
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