今月の科学誌に、大豆イソフラボンおよび大豆製品の摂取と、大腸がん(結腸がん・直腸がん)リスクとの関連を調べた研究が、韓国のグループ(Seoul National University College of Medicine)から報告されていました。
(
PLoS One. 2015 Nov 17;10(11):e0143228.)
大豆やレッドクローバー、プエラリア・ミリフィカには、女性ホルモン様作用を有するファイトケミカル(植物エストロゲン)の1種、イソフラボン類が豊富に含まれており、女性特有の病気に対する予防や改善作用などの機能性が知られています。
また、抗酸化作用や抗炎症作用を介した機能性から、生活習慣病のリスク低下作用や抗がん作用も注目されています。
今回の研究では、
大豆食品およびイソフラボンの摂取と、大腸がん(結腸がん・直腸がん)リスクとの関連が検証されました。
具体的には、
韓国での症例対照研究として、
大腸がん患者901名と、
対照群2,669名を対象に、
食事調査が行われ、
大豆イソフラボンの摂取量が5段階で評価されています。
解析の結果、
男女とも、
大豆製品の総摂取量、豆類、スプラウト(芽)の摂取量が多いと、
大腸がんリスクが低いという相関が見出されました。
なお、
中程度の大豆製品の摂取群では、リスク増加が示唆されています。
一方、
男性では、
発酵大豆ペーストと、大腸がんリスク増加が相関していました。
次に、
4分位で、
大豆イソフラボンの摂取が最高群では、
最低群に比べて、
大腸がんリスクが
男性では33%低下、
(OR: 0.67, 95% CI) 0.51-0.89)
女性では35%低下
(OR: 0.65, 95% CI: 0.43-0.99)
という相関が見出されました。
イソフラボンの摂取量が最高群でのリスク低下は、
男性では遠位大腸がん、
女性では直腸がんにおいて、一貫して認められています。
また、
閉経前の女性よりも、
閉経後の女性において、
大豆製品の摂取と、大腸がん(結腸がん・直腸がん)リスク低下との相関が、より顕著でした。
以上のデータから、
大豆製品および大豆イソフラボンの摂取による大腸がんリスクの低下、
特に、遠位大腸がんリスクおよび直腸がんリスクの低下が示唆されます。
最近の研究では、次の報告があります。
大豆イソフラボンによる胃がんリスク低下:高山スタディ
植物エストロゲンによる更年期症状改善作用:メタ解析
植物エストロゲンの摂取による卵巣がんリスク低下:メタ解析
DHCでは、
大豆イソフラボン、
プエラリアミリフィカといったサプリメント、レッドクローバーを含む女性向けの
複合サプリメントなどを製品化しています。
------------------------------------------------------------------
サプリメントと医薬品の相互作用ハンドブック―機能性食品の適正使用情報
DHCが日本のサプリを健康にします。
医療関係者のための健康食品情報サイト【DHCサプリメント研究所】
【健康食品FAQ】
DHCが第1位@利用している(利用したい)メーカー(経産省の調査)
------------------------------------------------------------------