栄養学の専門ジャーナル(電子版)に、重症うつ病に対するプロバイオティクスの有用性を示した臨床研究が報告されていました。
(
Nutrition. 2015 Sep 28.)
うつ病に対する有効性が示されている機能性食品・サプリメントには、
セントジョーンズワートやオメガ3系必須脂肪酸(EPA、DHA)があります。
今回の研究では、
重症うつ病の患者において、
プロバイオティクス投与によるうつ病関連指標、炎症マーカー、酸化ストレスマーカーなどが検証されました。
具体的には、
ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、
DSM-IVのクライテリアにより重症うつ病と診断された40名(20歳から55歳)を対象に、
プロバイオティクス投与群(20名)あるいは偽薬投与群(20名)の2群について、
8週間の介入試験が行われています。
プロバイオティクスは、フリーズドライのカプセルにて、次の菌種が投与されました。
Lactobacillus acidophilus (2 × 109 CFU/g),
Lactobacillus casei (2 × 109 CFU/g),
Bifidobacterium bifidum (2 × 109 CFU/g)
介入の前後で各種指標が測定され、
食事や身体活動も記録されています。
解析の結果、
まず、
食事調査では、両群について、有意な差は認められていません。
次に、
8週間後の時点で、
プロバイオティクス投与群では、
偽薬投与群に比べて、
うつ病関連指標の有意な改善が認められたということです。
Beck Depression Inventory総スコアの有意な低下:
プロバイオティクス群:-5.7 ± 6.4 vs. 偽薬群:-1.5 ± 4.8, (P = 0.001)
その他、
偽薬投与群に比べて、
プロバイオティクス投与群では、
介入後に、
血中インスリン値の有意な低下、
(-2.3 ± 4.1 vs. 2.6 ± 9.3 μIU/mL, P = 0.03)
HOMA-IRでのインスリン抵抗性の低下(改善)、
(-0.6 ± 1.2 vs. 0.6 ± 2.1, P = 0.03)
炎症マーカーである血中CRP値の有意な低下
(-1138.7 ± 2274.9 vs. 188.4 ± 1455.5 ng/mL, P = 0.03)
が示されています。
さらに、
プロバイオティクス投与群では、
偽薬投与群に比べて、
血漿中の総グルタチオン値の有意な増加が示されています。
なお、
血糖値やβ細胞機能、インスリン感受性、脂質代謝、総抗酸化能には有意差は認められませんでした。
以上のデータから、
重症うつ病患者において、
プロバイオティクスの投与によるうつ病スコアの改善や糖代謝の改善作用が示唆されます。
重症うつ病は、いわゆる難治性疾患ですので、標準治療に加えて、機能性食品成分・サプリメントを補完療法として併用することが推奨されます。
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うつ病に対する機能性食品・サプリメントの研究として、次のような報告があります。
DHAによる重症うつ病改善作用
うつ病に対するEPAの効果
抗うつ作用のあるサプリメントレビュー
セントジョーンズワートはSSRIと同等の抗うつ作用を示す
うつ病治療におけるセントジョーンズワートの費用対効果
うつ病へのビタミンDサプリメント投与
緑茶による報酬学習の改善と抗うつ作用
野菜と果物の摂取が多い高齢者はうつ病リスクが低い
若年女性における葉酸の抗うつ作用
うつ病ではビタミンDが低値
コーヒーの摂取が女性のうつ病リスクを抑制
ビタミンB群が脳卒中後のうつ病を予防
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