1月14日に発表された国民健康栄養調査(2018年、厚労省)によると、65歳以上のシニア女性の20.3%、シニア男性の10.3%が低栄養の傾向(BMI 20以下)とされました。
低栄養は、フレイル(虚弱)・サルコペニアをもたらし、要支援・要介護のリスクになります。
フレイル・サルコペニアの予防のために、
タンパク質やビタミンなどの栄養素を含む「経口栄養補助食品(ONS)」の利用が推奨されます。
臨床栄養学の専門ジャーナルに、経口栄養補助食品(ONS)のコンプライアンスを検証した臨床研究が、欧州のグループから報告されていました。
(Clin Nutr. 2015 Feb;34(1):15-9.)
経口栄養補助食品(ONS)は、
急性の重度の栄養障害を有する入院患者に用いられますが、
ONSのコンプライアンスについては変動がみられます。
そこで、
今回の研究では、
ONSを
より少ない量で、高頻度で投与することが、ONS摂取のコンプライアンスを改善するかどうか、検証されました。
具体的には、
ランダム化比較試験として、
栄養障害の入院患者234名(平均年齢71.2歳、男性55%、LOS中央値10日)を対象に、
次の3つのいずれかの方法で、
ONS(1回のサービングあたり300 kcalおよび12 gタンパク質)が投与されました。
・通常のケア群88名:対照群
@食事と食事の間に1日2回、ONS 125 mlが投与、
・介入群
A介入グループ1(66名):12時と17時に、1日2回125 mlのONSを投与、
B介入グループ2(80名):1日4回、8時、12時、17時、および20時に、62 mlのONSを投与。
フォローアップは、
最大30日間、
退院まで、またはONSが不要になるまで実施され、
アウトカムは、
ONSの処方量の少なくとも75%を消費した患者の割合でした。
解析の結果、
まず、
対照群と介入群1の間に、有意差は認められませんでした。
(risk difference of -16.0% (95% CI -33.2-1.2)
一方、
処方されたONSの少なくとも75%を消費する患者の割合は、
介入群2で有意に高値でした。
(23.4%,95%CI 7.8-39.0%)
このとき、
平均摂取量は、1日あたり35 ml(84 kcal)有意に増加(p <0.001)しました。
ONSの中央値は、5日間でした(範囲1〜17)。
以上のデータから、
入院患者において、
ONSのコンプライアンスを上げるためには、
1日2回、125mlのONSを2本投与よりも、
1日4回に分けて、125mlのONSを2本投与するほうが、
摂取量が多くなることが示唆されます。
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