サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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グルコサミンの風評被害by整形外科医 [2017年08月25日(金)]
先月末(7/28)の英国の医学誌に、グルコサミンには効果がない、とする研究が、整形外科医のグループから報告されていました。



私は、特に気に留めていなかったのですが、
(整形外科医のグループが、グルコサミンのネガティブキャンペーンをするのはいつものことなので)、

日本でもネットニュースになっていたようで、感想を聞かれました。



今回の研究は、取り上げるほどでもないレビュー論文で、

かつ、ネガティブな結果を誘導するために仕組まれたような、突っ込みどころ満載の内容なのですが、

問い合わせを受けてから、確かに、医学研究論文に慣れていないと、(ネットのニュースだけを見ると)グルコサミンが効かない、と誤解してしまうとも思いました。



以下、論文の要旨と、それに対する私見を記載いたします。


論文の要旨は、

グルコサミンの効果の有無を調べる目的で、

・1994〜2014年の間に実施された、グルコサミンを飲んだ場合と飲んでいない場合を比較した試験から、

・被験者数が1600人以上で、変形性膝関節症の程度、年齢、BMI、性別など交絡因子を考慮して、3か月から、1〜2年以上の投与した研究。

・さらに、バイアスがかかることを防ぐため、サプリメントを製造している企業から研究資金を提供されている研究は除外した。

・結果は、6報すべての研究でグルコサミンにひざの痛みに関する効果はまったく確認されなかった。中にはプラセボのほうが、効果があったという研究もあった

というものです。



以下、解説させていただきます。

・1994〜2014年の間に実施された、グルコサミンを飲んだ場合と飲んでいない場合を比較した試験から、

⇒これは、グルコサミンのネガティブな研究として有名なGAIT1が含まれるような期間を設定しています。

グルコサミンの有効性を示した、2015年以降の研究(MOVESやLEGS)は意図的に除外しているようです。

なお、GAIT1研究では、中等度以上の膝の症状を有する被験者では、グルコサミンのほうが、医薬品よりも効果がある、というデータになっています。

ただし、GAIT1研究は、偽薬レスポンスが6割と高いこと、実薬対照が機能していないことから、そもそも研究が正しく実施されなかった、失敗した研究という結論です。


・被験者数が1600人以上で、変形性膝関節症の程度、年齢、BMI、性別など交絡因子を考慮して、3か月から、1〜2年以上の投与した研究。


⇒長期投与のほうをきちんと評価すべきですが、長期投与をするとなかなか大規模な研究は難しいです。

グルコサミンは6ヶ月以上の投与が必要です。

ちなみに、除外されているようですが、欧州で行われた研究で、グルコサミンを3年以上投与し、7年間フォローした研究では、グルコサミン摂取群で、膝関節置換術のリスクが半減した、という報告があります。

このデータによると、グルコサミン利用が広まると、手術の件数が減るわけなので、一部の人は困るかもしれませんね。



・さらに、バイアスがかかることを防ぐため、サプリメントを製造している企業から研究資金を提供されている研究は除外した。


⇒これは、COI(利益相反)の情報判断を間違えています。

現在、医学研究では、COIを開示することがルールになっています。
(私も、DHC研究顧問であることは、COIに開示しています。ただし、そもそも肩書きで書いているので不要なのですが。
COIが特に問題になるのは、私学の医学部の先生という肩書きなのに、実は。。。という場合です。)


COIが問題になったのは、20年以上前の米国でのケースが有名で、

例えば、高血圧の薬の副作用を過小評価した医師たちが、その製薬メーカーから研究費をもらっていたケース、

あるいは、タバコの害を過小評価した研究者は、タバコ産業からお金をもらっていた、
ということがあります。


これらが、当時、利益相反により科学的データがゆがめられたケースとして問題になり、製薬会社やタバコ会社への利益誘導として、アメリカでの医学上の課題になりました。


現在では、第3者がデータを見るときに、研究デザインだけではなくて、研究費もちゃんと開示して、第3者がわかるようにしましょう、というルールが整備された、というのがCOIの経緯です。


それで、そのルールがグルコサミン研究でも機能している、というだけであって、

別に、有効性のデータ云々とは関係ない話ですが、わざわざグルコサミンを過小評価するために、有効性のデータを意図的にはずした、ということがうかがわれます。


ちなみに、研究費の話となると、医薬品の場合、それを開発した医薬品メーカーが特許を有しており、そこが、資金を出して、COIを開示して、データを発表しています。


大手製薬メーカーが発売する医薬品の有効性を示した研究を、今回のグルコサミンのような理屈で除外すると、医薬品の有効性のデータがなくなってしまうのでは?



つまり、研究資金を提供されていることは、利益相反として開示される、ということが重要であり、ルールですが、それ以上でも以下でもありません。


グルコサミンを売りたいメーカー側からの研究はフェアではないとして除外するなら、

そもそも、グルコサミンが広く利用されて、膝関節症の進行が抑制されてしまうと、膝関節置換手術の件数が減少して困る整形外科医が、グルコサミンについてネガティブキャンペーンをしていること自体、消費者の利益にはならないと思います。



・結果は、6報すべての研究でグルコサミンにひざの痛みに関する効果はまったく確認されなかった。中にはプラセボのほうが、効果があったという研究もあった


⇒(グルコサミンに効果があるという研究をいろいろな理由をつけて除外した結果) 6つの研究を解析しているようです。

しかし、米国医学図書館データベースPubmedでざっと検索すると、毎年10件から20件のグルコサミンを用いた臨床試験が報告されています。

で、前述のように、いろいろ除外して、6報で効果がなかった、という結果ありきの誘導になっています。

なお、このレビューに含まれているGAIT1研究では、グルコサミンに効果がない、という結論になっていますが、

GAIT1では実薬対照のCOX2阻害剤でも効果が認められておらず、逆に、中等度以上の患者では、グルコサミンがもっとも有用であった、という層別解析データが示されています。



現在、グルコサミンは、単に変形性膝関節症の補完療法としての有効性だけではなく、
健康寿命の延伸作用でも注目を集めており、新たな段階に入っています。


まず、グルコサミン研究の経過を見ると、2001年にランセット(権威のある臨床医学ジャーナル)に、変形性膝関節症に効果がある、という発表がなされました。
その後、複数の試験で、同様の効果が認められています。
一方、整形外科系からは、GAIT1やGAIT2などのデータを元にネガティブキャンペーンが執拗に行われています。


最新の研究では、

グルコサミンによる慢性炎症の抑制、

長寿関連遺伝子の発現亢進、

グルコサミンサプリメントの長期利用で死亡率が低下

といった健康長寿での働きが示唆されています。


DHCでは、関節機能訴求に関連したサプリメントとして、次の製品を扱っています。




パワーグルコサミン



極らくらく



らくらく(グルコサミン、コンドロイチン、II型コラーゲン、CBP、MSM(メチルスルフォニルメタン)、コラーゲンペプチド、ヒドロキシチロソール)



グルコサミン



コンドロイチン



グルコサミン&コンドロイチン



II型コラーゲン+プロテオグリカン




グルコサミンは、変形性膝関節症などの関節疾患に広く利用されているサプリメントです。



作用メカニズムとして、アミノ糖であるグルコサミンが関節軟骨の成分であることから、構成成分を経口摂取することによる直接的な修復機構が想定されていました。



一方、最近の研究では、グルコサミンやコンドロイチンは、情報伝達機構における調節因子であることが示されており、変形性膝関節症に対する改善効果のメカニズムとして、構成成分自体を直接摂取する作用というよりは、シグナル伝達物質を摂取することによる作用が考えられています。



膝OAなどの変形性関節症に対して、
サプリメントでは、グルコサミンやコンドロイチンが最もエビデンスが豊富であり、欧州の学術団体EULARではグレードAの推奨になっています。
(一方、ACRではGAIT1のみを解析対象としたため、偽陰性データのバイアスによってネガティブになっています。)


2014年以降に発表された最新の研究—MOVES研究やLEGS研究--では、

グルコサミンやコンドロイチンの効果が示されています。





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DHCは、トータルヘルスケア企業として地方自治体と連携し、健康づくり事業に取り組んでいます。ふるさと納税にも協力し、地方創生を支援しています。
地域での健康長寿社会の実現に、DHCとして貢献できるように努めています。



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サプリメントと医薬品の相互作用ハンドブック―機能性食品の適正使用情報
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