昨日に続いて、「経口栄養補助食品(ONS)」についての論文を読んでみました。
マネージメントケアの専門ジャーナルに、入院患者に、経口栄養補助食品(ONS)を投与することで、入院期間の短縮、医療費削減、30日以内の再入院率が低下することを示した臨床研究が、米国のグループ(Precision Health Economics)から報告されていました。
(Am J Manag Care. 2013 Feb;19(2):121-8.)
先月の1月14日に発表された国民健康栄養調査(2018年、厚労省)によると、65歳以上のシニア女性の20.3%、シニア男性の10.3%が低栄養の傾向(BMI 20以下)とされました。
低栄養は、フレイル(虚弱)・サルコペニアをもたらし、要支援・要介護のリスクになります。
フレイル・サルコペニアの予防のために、
タンパク質やビタミンなどの栄養素を含む「経口栄養補助食品(ONS)」の利用が推奨されます。
さて、
今回の研究では、
入院患者において、
ONS投与による、入院期間、エピソード費用、および30日間の再入院確率に対する作用が検証されました。
具体的には、
2000年から2010年までの11年間の後ろ向き研究として、
成人4,400万人の入院エピソードに関するデータベースを用いて、
入院患者のいずれの診断について、
ONS投与群と、
ONSの非利用群に関して、
入院期間、エピソードコスト、および約30日間の再入院の率に対するONS使用の影響が定量化されました。
データベース内では、
成人4400万人の入院エピソードのうち、1.6%がONSを使用していました。
120万件のデータを解析した結果、
ONSの利用により、
患者の入院期間は2.3日短縮、
(95%CI-2.42から-2.16)、
10.9日から8.6日(21.0%減少)へと短縮し、
エピソード費用が、4734ドル(95%CI-$ 4754から-$ 4714)減少しました。
(21,950ドルから17,216ドルへ21.6%減少)
また、
ONS投与群と、
一致したサンプル群について、
ある時点で患者が再入院した862,960エピソードを検証した結果、
ONSを利用した患者の早期再入院の率(30日以内)は、2.3%減少
(95%CI-0.027から-0.019)
(34.3%から32.0%へ6.7%減少)
していました。
以上のデータから、
経口栄養補助食品(ONS)を用いた入院患者では、
入院期間の短縮、入院中のエピソードコストの削減、30日間の再入院率の低下という効果が示唆されます。
患者の栄養状態が疾病の経過や予後に関係することは当然といえます。
経口栄養補助食品(ONS)を1日4回に分けて摂ると効果的
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