サプリ研究の第一人者、蒲原先生の公式ブログです。

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ウコンのクルクミンによる酸化ストレス及び長寿関連遺伝子への作用@多発性嚢胞性卵巣症候群(PCOS) [2020年02月01日(土)]
今月の内分泌学の専門ジャーナルに、多発性嚢胞性卵巣症候群(PCOS)において、ウコンのファイトケミカル、クルクミンによる酸化ストレスおよび長寿関連遺伝子への作用を検証した臨床研究が、イランと米国のグループから報告されていました。
(Diabetes Metab Syndr. 2020 Jan 8;14(2):77-82.)



ウコンには有効成分としてクルクミンが存在し、抗酸化作用や抗炎症作用を示します。

分子メカニズムは、NF-κB抑制を介した抗炎症作用です。


今回の研究では、

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者において、

酸化ストレス関連酵素、サーチュイン-1(SIRT1)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γコアクチベーター1α(PGC1α)遺伝子発現に対するクルクミンの作用が検証されました。


具体的には、

ランダム化二重盲検偽薬対照試験として、

PCOS患者72名を対象に、

・クルクミン1500mg投与群、

・偽薬投与群

の2群について、

3ヶ月間の介入が行われ、


SIRT1遺伝子発現、PGC1α、およびグルタチオンペルオキシダーゼ(Gpx)およびスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)酵素の活性が測定されています。

67名が試験を完了しました。


解析の結果、



クルクミン投与により、

PGC1α遺伝子発現の有意な増加、
(p = 0.011)

Gpx酵素活性の有意な亢進
(p = 0.045)

が見出されました。


また、

クルクミン投与により、

SIRT1遺伝子発現の増加傾向、

SOD酵素活性の亢進傾向も認められました。


以上、

今回のデータから、

PCOS患者において、
クルクミン投与による酸化ストレスの軽減作用が示唆されます。

今後、クルクミンの抗酸化作用を介したPCOS患者での臨床的意義の検証が期待されます。





先行研究では、ウコンのクルクミンによる生活習慣病の改善など多彩な作用が示されています。




クルクミンによる耐糖能異常での血糖低下作用:メタ解析



ウコン/クルクミンによる脂質代謝改善:メタ解析



ウコン/クルクミンのレプチンへの作用:メタ解析




クルクミンによるアディポネクチンとレプチンへの働き@メタボリック症候群


クルクミンサプリメントによる抗炎症・抗酸化作用@過体重




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