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ピクノジェノールが口腔乾燥症を改善する [2020年02月19日(水)]
歯科/口腔外科の専門ジャーナルに、ピクノジェノールによる口腔乾燥症の改善効果を示した臨床研究が、イタリアのグループ(G. d'Annunzio University)から報告されていました。
(Minerva Stomatol. 2019 Dec;68(6):303-307.)


ピクノジェノールは、フランス海岸松に由来する機能性食品素材で、フラボノイド類が主成分です。


フラボノイド類による抗炎症作用や抗酸化作用を介した効果が示されており、生活習慣病の予防や改善作用から、アンチエイジング医学まで、広く利用されています。




さて、今回の研究では、

パイロット試験として、

がんを有していない被験者で、

原発性特発性粘膜乾燥idiopathic mucosal dryness(口内乾燥症xerostomia /口内乾燥dry mouth)に対するピクノジェノールの働きが検証されました。


具体的には、


非糖尿病の被験者群と、

糖尿病患者の被験者群について、

・標準治療群、

・標準治療+ピクノジェノール(150 mg /日)投与の併用群

にて、2週間の介入が行われました。


で2週間管理されました。


合計48名が試験に参加しました。

糖尿病患者は24名、

非糖尿病の被験者は24名、

それぞれ12名ずつが、ピクノジェノールを投与され、

残りの12名ずつは標準治療のみで対照群としてフォローアップされました。

解析の結果、

まず、
ピクノジェノール投与群において、
副作用や忍容性などの問題は見出されませんでした。


2週間の投与により、

唾液の流れと酸化ストレスは、

150 mg /日のピクノジェノール併用投与群(非糖尿病患者と糖尿病患者の両方の群)で、有意な改善が認められました(P <0.05)。


一方、

標準治療のみの群では、

唾液の流れでの最小限の改善が示されました。

また、

主観的スコアと粘膜破裂および潰瘍の数は、

すべて最小(長さまたは直径が1 mm未満)であり、

ピクノジェノール併用群にて有意な減少が見出されました。(P <0.05)


さらに、

耳下腺唾液中のリゾチーム値は、

糖尿病患者と非糖尿病患者の両方で、ピクノジェノール併用群にて有意に増加しました(P <0.05)


以上のデータから、

口腔乾燥症に対して、ピクノジェノール投与による症状改善作用が示唆されます。



今後、補完療法としての臨床的意義が期待される分野です。



ピクノジェノールは、抗炎症作用や抗酸化作用を介して、生活習慣病の予防や改善に有用と考えられます。


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