生薬学関連学会の抄録に、ケルセチンによる抗ウイルス作用と抗炎症作用を示した基礎研究が米国のグループから発表されていました。
(Pl Med 74;910:2008)
ケルセチンは、フラボノイド系ファイトケミカルの1種で、植物性食品に含まれています。
これまでの研究では、抗酸化作用や抗炎症作用が示されてきました。
ケルセチンは、経口投与時にはその60%が速やかに吸収・代謝され、全身の各組織に分布します。
呼吸器系では、比較的高濃度が見出されることが知られています。
今回の研究では、ヒト呼吸器系培養細胞にライノウイルスを作用させた実験系、および、マウスにインフルエンザを作用させた系において、ケルセチンによる抗炎症作用・抗ウイルス作用が認められたということです。
ケルセチンは、食経験が豊富で安全性の高い成分と考えられます。
今後、臨床的意義の検討が期待される分野です。
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