アロエによる糖尿病改善作用を示す予備的なヒト臨床研究が、米国のグループから発表されていました。
(Pl Med 74;926:2008 SL77)
アロエは、日本の民間療法でも、火傷など皮膚障害に対して外用に用いられてきました。
また、糖尿病モデルマウスを使った基礎研究では、アロエによる抗糖尿病作用が知られています。
しかし、これまでにヒト臨床研究は知られていませんでした。
今回の研究では、アロエ(Aloe vera)製品2種類を用いて、メタボリック症候群の被験者45名を対象に、1日あたり1,000mgのアロエ抽出物あるいは偽薬が8週間投与され、糖代謝に対する影響が検討されました。
その結果、アロエ投与群では2種類とも、投与前値に比べてHbA1cが5%低下し、有意差が認められています。
また、空腹時血糖値も低下傾向が示されています。
このとき、肝機能や腎機能、ホルモン系などの指標において有害事象は認められておらず、一定の許容性が示されました。
なお、脂質代謝の指標には有意な変化は認められていません。
論文著者らによると、このデータは、アロエによる糖尿病改善作用を示した最初のヒト臨床試験(偽薬対照試験)であるということです。
作用機序の解明も含めて、今後の研究の進展が期待される分野です。
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